「様々なジャンルの作品を、間髪入れず(ヘタをすれば同時進行で)作り続ける」という点では、三池崇史とキャラ(?)がかなりかぶっていきている堤幸彦の新作。
主人公が音楽の世界で才能をドーンと開花させたり、ライバルからの潰しがかかったり…と、裕次郎の『嵐を呼ぶ男』あたりの遺伝子を持った、ある意味王道のストーリー。潰しにかかってくるのが中村獅堂というのが、いかにも…(笑)。
『20世紀少年』のクライマックス同様、最近のツツミンは何だかミュージシャンのライヴシーンに異様な執念を見せているような気がするのですが、気のせい?上映時間が144分にもなってしまったのは、そのせいかも知れません。最後まで飽きさせずに見せてくれはするものの、やはりちょっと長過ぎるような気がしました。このストーリーなら、あと10~15分は短くできたような感じはしました。
主役の若者たちの役者もそれぞれ頑張っていますが、脇役も含めて全体的に可もなく不可もなくといった印象。カンニング竹山の登場シーンだけは、いろんな意味でミョーなインパクトがありましたが。
しかし、何といっても一番の見どころは、佐藤健=コユキの「奇跡の歌声」の表現方法。最初に観た時はいろんな意味でア然としましたが、よくよく考えたらこれがベストな方法かも。でも、ホントにビックリしますよ(製作者側から厳重な緘口令が敷かれていることもあるので、詳しくは書きませんが…)。
