ニュージーランドの教育のいいところ〜本物から得られるもの〜 | やんしんブログ(数学教師@NZ)

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計算と英語が苦手だったのに、今は英語で数学を教える数学教師。
奥さんはNZ人。
波乱万丈な人生の記録始めました。
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うちの学校では、朝2時間授業したあとに、ホームルームの時間があり、その後にモーニングティータイムと言って、ちょっとしたスナックが食べられる休みがある。

今、モーニングティータイムなので、今日の一時間目にあった出来事について、ホットなうちに書いていこうと思う。



僕は日本で教師をしているとき、生徒にできるだけ本物と触れてほしいと思っていた。

僕は10年水泳をしていたので、水泳の演技を見せる立場としては、本物の泳ぎ方を見せることはできる。

サッカー部を見ていたときも、元Jリーガーに来てもらった事もあった。

本物からの刺激というものは、何者にも変えられない何かを受け取ることができる。

今日の一時間目は、保健体育の授業。

いつもは先生が授業するが、今日は警察官が来て「いじめ」について話をしていた。
警官というと、堅苦しいイメージがあるが、今日の人はかなり面白く、人を惹きつける話をしていた。


いじめは犯罪で、警察が取り締まる事例になるということをみんなに説明。
そこから、具体的にどんないじめがあり、どんな刑罰が処されるのかを話してくれた。

何が犯罪で、何が犯罪じゃないのかの線引きから、具体的にあった事例などをもとに、どのぐらいの刑罰が課せられるのか等への質問は、先生方に答えられることではない。
この警察官は、いろんな事象を細かく説明し、淡々と生徒の質問に答えていく。

例えば「盗み」って単語を英訳しようとしたとき、すぐに僕の頭に出てくる単語は2つ。
Robbery と theftが浮かぶ。

じゃぁ、ニュージーランドでは、この2つにはどんな違いがあるのか?

ここで明確に述べられる。
Robbery is theft accompanied by violence or threats of violence.

つまり、roberryというのは「強盗」ってことですね。
相手を脅したり、身体的な攻撃を与えた地点からrobberryになるわけなんですね。
罰則にも明確な違いがあった。
Robberryの場合は、長くて14年の懲役が課せられると。

他にも、バターナイフをバターナイフとして持っていたら別に犯罪にはならないけど、バターナイフを凶器として所持している場合は、銃砲等所持とみなされ逮捕される。

逆に刃渡りの大きな鋭いナイフを「バターナイフとして使ってるから犯罪じゃない」と言う加害者が多くいる事も説明された。
そんな無理な言い訳は効きません、とのことでした(笑)

普通のいじめから、ネット上のサイバーブリーイングまで、生徒はしっかりと話を聞き、かなり有意義な時間になった。

こういう教育を、大きな企画無しでしっかりサラッとやれるあたり、いいなぁって思う。
ニュージーランドの教育の魅力の一つには、こういった事をサラッとできる、小回りが簡単に利くところにもある。
日本の学校ででこれをやろうとすると、企画書から教育委員会への報告、レポート提出など、何から相当な作業になる。
そうなると、面倒でこういう企画もしたくなくなる。
時間もなくなるし。

授業時間を削ってでもやるべきことってあると思うんだよねぇ。教員の負担増やすことなくさ。

なんて、深く考えた午前中でした。