このシリーズ
安心してください。
今回が最終話です。
今でも覚えている。
人生最初の数学の授業は、とても寒い日だった。
そして腹を壊し、トイレに駆け込んだら、あったのは和式便所だった。
当時でも珍しい、紐を引っ張ると水が流れるタイプだった。
おかげさまで用を済ませて一件落着!

腹痛の悪夢から開放され、ほっと一息…と、トイレのその紐を引っ張ったら、目を疑う光景が…
トイレの水を貯めるタンクから、トイレに水を送るはずのパイプがタンクから外れていた…
(図参照)
そして、目の前の床にとてつもない水の量がとてつもない勢いで流れ始めた

目の前に見えるタンクから流れ出す滝を目の前に唖然とする自分

真冬のクソ寒い日に、絶対濡れたくない!
代えの上履きや靴下なんて持ってない!
しかし水は容赦なく床に流れ込む…
急いでトイレのこの部分に立って耐える↓
絵からもわかると思うのですが…
なめらかなカーブを描くトイレの形は、美しくも滑りやすくもあるのです。
滑り落ちないようにバランスを保とうとするも、靴底が濡れていてちょっとずつ滑り、足が地面に付きそうだ…(一歩間違えたら、自分から生まれたものの中に今度は自分が包まれることになってしまう)
この体勢を保つのは本当に体力が必要。
だんだん疲れてこの体勢を保てなくなるときが来た…
と思った瞬間に、タンクからの水がピタッたと止まり、水が排水口にはけていくのを確認し、トイレから降りた。
しかし…トイレはもちろん壊れたままだし、肝心の汚物は流れていないし、この状態では色々まずい(汗)
と言うことで、これを誰かに報告しなければ…でも誰に?
教室に戻り、先生に聞いたら「修繕は教頭先生担当やきに、教頭先生に報告してくれへんの?」って言われたので、そこで教頭に連絡してトイレを直してもらうように、そして、私の汚物がまだそこにあることも告げ、授業に戻ったら「キーンコーンカーンコーン」とチャイムがなり、僕の楽しみにしていた最初の数学の授業が終了した…

こうやって僕の数学教師としてのキャリアが始まった。
(教訓。ものが壊れたら、教頭先生に)