カミーノに行くための経由地1、パリ。

 

カミーノ始まりの街、サンジャンに行くにはスペインから入るルートとフランスからのルートに分かれる。

スペイン側から入るとこれから歩いて行く街を先に見てしまうことになるので

フランス側から入ることにした。

 

まずは飛行機でパリに入る。出発地はインドのバラナシ。

バラナシからパリは、デリーを経由して38時間かかった。ほとんどトランジットだった。

バラナシを出てデリーに着いたのは18時くらい。

街に出る元気と気合いがないこと、バラナシの空港で一緒に旅した人とバイバイしたことが寂しく、これまでの日々を懐古するのに忙しいことから、空港に居座ることに決めた。

空港のベンチに寝袋を敷き込んで6時間ほどぐっすり。

デリー空港はFreeWiFiが飛んでいないので、ラウンジを短時間利用してパスワードをゲットしたりもあり、翌日のお昼頃パリへ出発した。

 

はるばる飛んできたパリは3度目の訪問だった。

初めて来たのは高校三年生。都立高校の受験に失敗した私はお金のかかる私立に通うこととなり、

その高校の修学旅行がパリだった。

正直17歳の私には何が何だかわからない世界で、今となっては夜に友達としりとりで大爆笑したことしか覚えていない。

 

2回目のパリはヨーロッパ旅をした時。1年半前。

ノートルダム大聖堂の橋のところでジプシーに襲われて嫌な思いをしたけど、

その翌日に見たモンマルトルの丘からの景色が素晴らしくて、ジプシーに思い出まで盗まれずに済んだ。

 

今のところ訪問する度に好き度が上がっているパリ。今回はカミーノの経由地なので1泊だけだがどうだろうか。

着陸したのは夜の8時過ぎ。暗いの嫌だなあと思っていたが、白夜気味でまだまだ明るかった。

 

飛行機を降りて数分のうちに荷物もスタンプもゲットできる素晴らしいシステムのシャルルドゴールを出て、すぐに電車に飛び乗る。

なんとか明るいうちに宿を決めたい。

 

宿の場所は前回と一緒。適当なところに入れたので一安心。到着した頃にはすでに日は落ちきっていた。

お腹が減ったので宿の向かいのパニーニ屋さんに入る。一番安いもので7€。

インドとのギャップがすごい。。もはやショック。

 

近くのスーパーも閉まっているのでこのお店しか選択肢がない。結局、若干ケチって5€のポテトを買った。

これから先は物価との戦いだと悟る。タイとインドに長く居た代償が大きい。

 

 

翌朝。

時差ボケで目覚める。6時半。インドでは何時だろう、日本は、タイは、、と考えているうちに完全に目が冴えわたる。

普段は起きたくても起きれないのに、時差ボケの時はどうして寝たくても寝られないのか。

 

携帯片手にダラダラする。周りのおっさんたちはまだいびきをかいて寝ている。

久々のパリを満喫すべく、マップにピンを打って行動開始とした。

 

まずは適当に歩いてみる。

 

 

違う。ぜんぜん違う。


ほんの数時間前までは街に牛がいて、犬がいて、

糞を避けながら歩いて、5分歩けば1回は必ず声かけられて、

クラクションや値切り交渉にイライラし、

誰も車線なんて守らず、目の前から車が向かって来たら直前で避け、

横からはリキシャが突っ込んで来るのが当たり前だった。

 


今はとっても整然とした世界にいる。

社会にルールがあり、それを守る人が暮らしている。距離感が日本に似ている。

牛がいない。

 

真反対の世界に来た!!とウキウキ。

だけど、これまで通り変なパンツと上着ではとてもじゃないけど歩けず、誰も話しかてこない。

最初は浮き足立ってたけどすぐにあの喧騒と熱気が恋しくなった。

 



パリは歩いて散策した。

腹ごしらえにパン屋さんに入る。

ヨーロッパに来たら食料は絶対スーパーでしか買わないが、フランスは違う。

この国のパンは本当に美味しい。そしてでっかいバゲットが1€程で買える。

スーパーのパンより美味しいし、2食は賄える。

 

お店に入ると「ボンジュール」と迎えてくれる。

ああ高貴な気分、、、、

 

バゲットの他に安くなっていたチョコ入りバゲットも買ってしまった。

硬いかと思いきやふわふわで美味しくて、ほどよく甘くてすぐに食べ終えてしまった。

バゲットをつまみながらパリを歩く。おしゃれっぽい響き。やっていることは下品。

 

まずはパリで一番好きなモンマルトルへ行った。宿から40分くらい。

途中からサクレクール寺院が見えて来るから見つけやすい。


春のヨーロッパは初めまして。いつも冬だった。

綺麗だなあ。

 

真下からよじよじ登る。途中でミサンガ巻きつけ詐欺師に絡まれつつ上へ。

 


大好きだーーこの景色。


 





 

近くのテルトル広場。


自画像を描いてあげるよと言われたが、ごめんお金がないんだというと

わかったとすぐ引き下がってくれた。

これまでいた所との文化の違いが目立つ。経済状況が違うとお金を得ることの本気度が違う。ここの人達だって必死に働いているんだから、比べるようなことでは無い気もするけど。

 

 

丘をおりて南下。

赤いギターに出会う。かっこいい。

途中の教会。

 



途中マドレーヌ寺院近くのデカトロンでカミーノに必要なものを買い足す。

タイでかけたくるくるパーマが収集つかなくなっているのでニット帽と、壊れてすでに3つ目となる腕時計など色々購入。

結構買ったな〜と思ったけど、20€程度だった。さすが世界のデカトロン。

 

なかなか寒いのですぐにニット帽を着用して歩く。

 

どこからか、アップテンポな音楽が。音のする方へ行く。

 

 

パキッと決まりまくる音楽。最高だなあ。




この噴水はインドで一緒だった人がパリで来た所だった。私にこの噴水の写真を見せてくれたのを覚えていた。

しかもその人は音楽をやっている。私はバスキングに導かれてここにたどり着いている。


導かれてる〜

 


演奏が終わってから、近くのマックでWiFiを拾って、急いでこの出来事を報告した。

 

 



その先にあるノートルダム大聖堂。


私が収めたこのノートルダムは火災の起きる二日前の姿。

まさかこのあと焼けるなんて思ってもなかった。再建を願ってます。

 



向かいにあるシェイクスピア本屋。 


大好きな映画 Beforeシリーズの2作目で二人が再会する舞台。

中も、わくわくするような素敵な本屋さん。

 

近くにあったパン屋さん。おしゃれ。高いけどおいしそうなのでパンを買う。

食べながら散策。


Before Sunset巡りをする。


 

帰りはポンピドゥーセンター、アジア人街を通る。



コンセルヴァトワール付近も行った。


あやうくジェノヴァ?を買いそうになった。危ない。


 

あー歩いた。

文字通り一日中散歩した。

多少の土地勘から、我が物顔でパリを歩くのはちょっと気持ちがいい。

自分の地図ができていく。

 

今回でさらにパリが好きになった。好きというか凄いなというのに近い。

他のどんな大きい街を見ても、パリの華やかさには勝てない。

建物の華やかさや立派な佇まいもそうだけど、街からプライドと高貴な雰囲気を感じる。

勝手に滲み出ているものではなくて、作り上げてきたから出てるような立派な雰囲気。

なんと言えばいいかな。

のぼり詰めてのぼり詰めて、ずっと油断せずに来てようやく得た感じ。

 ヨーロッパを代表する「真ん中」。首都だけど逆にレアだと思う。





この日の夜、夜行バスで次の足がかりの街バイヨンヌへ。