さて、ここまで、何度かに分けて、「妖怪の科学」について考えてきました。
では、具体的に、夏休みの自由研究にするには、どんなアプローチの仕方があるでしょうか?
例えば、「龍」について考えてみましょう。
(「龍」を「妖怪」として語るのは抵抗がありますが…)
古生物学的な考え方としては、「龍」のモデルとなった生き物を考える、というアプローチがあります。
「龍」について、ワニを基本のモデルとして考えるならば、ワニと「龍」の違いから考えてみると良いでしょう。
何が違い、何が同じなのか。
見た目の違いだけでなく、住むところ、食べるものについても考えてみましょう。
生物として考えるならば、手足のつき方に注目してみるのも良いでしょう。
ワニの化石について調べてみると、今よりもっと「龍」に似たワニがいたのかもしれません。
文化人類学、民俗学的なアプローチとして、
「龍」と「Dragon」のイメージの違い、形態や役割について考えてみてはどうでしょう。
ヨーロッパの「Dragon」には翼があるようです。
では、インドに「龍」はいるのでしょうか?
その姿は「龍」と「Dragon」どちらに近いのでしょう?
中国の「龍」と日本の「龍」では違うのでしょうか?
「龍」の爪の数にも注目しましょう。3本爪や5本爪があるはずです。
実はこれにも意味があります。日本の「龍」は何本爪でしょうか?
違いがあると知った上で調べると、理解が深まります。
アジアの各国に「十二支」はありますが、そのすべてに「龍」は入っているでしょうか?
どの国にどのような「龍」の物語があるか調べてみるのも面白いでしょう。
また、漢字の「龍」という字の成り立ちを調べると、何か分かるかもしれません。
「襲う」という字にも「龍」が含まれていますね。どんな成り立ちなのでしょう。
「恐竜」はどうでしょう?
「恐竜」の中に、「龍」のイメージに近いものはいるでしょうか?
「タツノオトシゴ」はどうでしょう?
どのあたりが「龍」なのでしょうか?
少し変わったアプローチとして、ゲームや漫画に出てくる「龍」を比較してみても面白いかもしれません。
悪役なのか、主人公の味方なのか、願いを叶えてくれるのか?
どんな種類がいて、何色が強いとされているのか。
「龍」という切り口だけでも、様々な自由研究が出来そうだ、と思って頂けたでしょうか。
同じように考えていけば、「河童」や「鵺」も自由研究の対象に出来ますね。
もちろん、調べたことをもとに、オリジナルの「龍」や「河童」「鵺」を作ってみるのも良いでしょう。
さて、キッズアースの実験教室では、教科書を読むだけでは得られない「何か」を感じてもらうことで、
生徒の皆さんの可能性を拡げたいと思っています。
「龍」について勉強する機会は、残念ながら通常カリキュラムにはありませんが、
「恐竜」や古生物、タツノオトシゴなどについては、触れる機会もあると思います。
また、自由研究の相談にも応じていますので、お気軽にお問い合わせください。
こういった経験・体験を通じて、未来の「科学者」の卵への一助となれることを願っています。