【算数と数学】扉の奥の扉(灘中入試2日目より) | 共明塾 × キッズアース播磨町校

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2007年からは東大卒講師を迎え、2017年からはキッズアースと提携し、小学生向けの科学実験教室を始めました。
共明塾はこれからも学ぶ楽しさを発信していきます。

2020年の灘中学校の入試問題、二日目にもチャレンジしました。

(一日目については 「【算数と数学】万年カレンダー」をどうぞ)

 

解法が思いついても、その先にもう一段階あるような問題が多く、

受験生にとっては厳しかっただろうな、と思いました。

 


例えば1問目の(1)。

600mの円形の散歩コースをA君は50m/分、B君は100m/分で同じ方向に進みます。

コースに沿って、スタート地点とA君の距離(A)

スタート地点とB君の距離B、A君とB君の距離(C)を測り、

その中で一番短いものを「最短距離」(D)と呼びます。」(2020年灘中学入試問題より)

 

 

時間と「最短距離」(D)のグラフを描くのですが、

解法としては、(A)(B)(C)の3つのグラフを重ねて描いて、

その一番低いところを結んでいけば良いだけです。

 

(A)(B)のグラフは簡単に描けるのですが、問題は(C)

既に(A)(B)のグラフが描けているだけに、

(A)(B)の差をとれば良いように感じてしまいます。

この考えで描いたのがこのグラフです。

しかし、これは間違い。

このコースは円形なので、300mの差がついた段階からは、反対側の長さを考えないといけません。

 

単純なことなので、愚直に解けば問題ないはずなのですが、

グラフの方に意識を取られると、足元をすくわれてしまいます。

 


また、第2問の(1)。

A,B,C,D,Eの5桁の数があり、EはA+B+C+Dの下一桁です。

このうちの一つを書き換えた数字は28973でした。

元の数字として考えられる5桁の数をすべて書きなさい。

 

この問題、最後の一桁は、それまでの4桁の数の合計「26」の下一桁「6」になるはず。

つまり「28976」がまず考えられます。

 

次に、「3」は変えていないのだとすると、「〇8973」「2〇973」「28〇73」「289〇3」。

上4桁の合計は「26」でしたから、これが「23」になるようにすれば良い、

のですが、これで解いたつもりになると、罠にはまる仕掛けです(笑)

 

(2)は、ここまで出来ていれば答えられるので、むしろサービス問題ですが、

(1)の「すべて」は怖い問題だなぁ、と思います。

 

つまり、合計「33」になるケースも考えなければならないのです。

 


どちらも、解法が思いついて、計算して、よし解けた!となった後に、抜け・落ちがないか確認が必要ですし、解法を思いついた段階で、別のケースも想定する必要のある問題です。

 

単に計算が出来る、解法が思いつく、のレベルではなく、

抜けのない解法を考えられることが要求されているわけで、

さすがの問題ですね。

 

前回も書きましたが、今、あるいは今回、この問題が解けなかったとしても、この問題にチャレンジする、チャレンジできるステージにいるということが素晴らしいのです。

 

受験した全ての小学生の皆さんに、輝かしい未来が待っていることを信じています!