【自然観察】「秋の日は釣瓶落とし」を調べる。 | 共明塾 × キッズアース播磨町校

共明塾 × キッズアース播磨町校

1970年から兵庫県加古郡・加古川地域て信頼と実績を積み重ねてきた共明塾。
2007年からは東大卒講師を迎え、2017年からはキッズアースと提携し、小学生向けの科学実験教室を始めました。
共明塾はこれからも学ぶ楽しさを発信していきます。

「秋の日は釣瓶落とし(あきのひはつるべおとし)」と言いいます。
 
「釣瓶(つるべ)」というのは、井戸から水をくむためのバケツ。
「釣瓶落とし」は、いわば、カラカラカラーっと落ちていくイメージです。
 
なので、この「ことわざ」は「秋は、日が暮れはじめると、あっという間に暗くなる」という意味になります。
実感としてはその通り、という気がしますが…せっかくですので調べてみましょう。
 
「暮れはじめる」というのは定義が難しいので、
まずは、日没の時間を調べます。
 
兵庫県の「日の入り」時間を見ると
 
 8月1日 19:02
 9月1日 18:26
10月1日 17:44
 
夏至の頃、6月半ばの「日の入り」が最も遅い時で、19:16
 
6月から8月にかけては、10分程度しか「日の入り」は変わりません。
しかし、8月9月に入ると、毎日1~2分程度ずつ「日の入り」が早くなっていきます。
 
18時で考えると、9月初めはまだ「夕方」だったのに、
10月に入ると「夜」になりますね。
 
夏の間、あまり変わらなかった日没が、
秋になると日々短くなっていくのが分かります。
 
もちろん、これからも「日の入り」は早くなっていって、
12月、最も早い「日の入り」は16:48
17時でもう夜になってしまいます。

さて、「薄明(はくめい)」という言葉があります。
国立天文台さんの説明ページはこちら
 
これは、「日の入り」後、しばらく空が明るい時間について言います。
 
こよみのページ」さんの暦と天文の雑学」にちょうどこの話題がありました。
このページには、グラフも載っているので分かりやすいと思います。
 
結果だけ引用させて頂くと、「天文薄明」は
夏至(6月)の頃は100分くらいだったのに、
秋分(9月)の頃は 80分くらいと
20分程度短くなるようです。
 
日暮れが早くなったうえに、実際に暗くなるのも早くなるわけで、
まさに「秋の日は釣瓶落とし」ですね。

さらに言えば、この「ことわざ」には、「不定時法」も関係していて
江戸時代に人にとっては、時間が圧縮されているように感じたのではないか、
と思いますが、少し難しい話になってしまうので今回は省略します。
 
何気ない「ことわざ」も、調べてみると意味があることがあります。
ちょっとした好奇心が、勉強のタネになればと思います。
 

 

小学生のための理科実験教室!

中高生のための難関校対応塾!