・・・なあんて、あるわけないじゃないですか!イラッ

 

 

私なんて日本の大学とアメリカの大学院でずっと専門で英語教育を勉強して、さらに20年近くも英語を教えてきて、それでもまだネイティブレベルにはなれないのに。仕事しながらも調べ物の毎日ですよ!

 

 

英検1級合格したって、20年英語を教えていたって、知らない言葉や間違える文法構文はたくさんあって、一生勉強です。

 

 

つい先日も、"他動詞+~ing" の ~ing が他動詞の目的語だと思ったら、その動詞には自動詞用法もあって実は分詞構文だった、という意味の取り違えをしたばかり汗うさぎ

 

 

文法力があっても、きちんと前後の文脈から流れを正確に読み取らないと、誤訳につながります。うわべだけで語から語に変換して終わり、というわけではありません。

 

 

「英語力がなくても短期間で、AIを使って翻訳者になれます」って謳ってる高額講座があるらしく、Xでも「とんでも」キャンペーンのようにプロの翻訳者たちがよく投稿してました。

 

 

こちらはXで知った「ぶみにゃんご」さんのnote記事⤵

 

 

昨年12月には、通訳翻訳関連4団体が詐欺まがい翻訳講座について以下のような注意喚起を出したそうです。

 

 

 

 

 

でもまだ、受講者が何百人もいるようです。英日・日英、どちらの翻訳にしろ英検2級レベルの人や、まして英語ができない人が、機械やAIが翻訳してきた不完全な文章をどうやって補えるというのでしょうか。

 

 

私たちプロも参考程度には利用するし、これで合ってるかどうか確認するために使うことはありますが、日本語としておかしな文が出てくることもよくあるし(英日の場合)、そもそもニュアンスが合ってる保証もない。私はどうしても分からないときはネイティブの友人に聞いたり、めちゃくちゃ調べまくります。

 

 

英語の語彙や文法をきちんと勉強する努力もせず、AIが訳してきた文を適当に整えて(そもそも英語を知らないのにどうやって整えられるのか疑問)、楽して「できました」と納品された ”翻訳文” の品質はどう担保されるのか?

 

 

クライアントは何となく読める文章になっていればそれでいいのでしょうか?

 

 

今、官民一体となって、海外に紹介されてない日本のマンガを機械翻訳させて大量に海外に売り出そうとしています。

 

 

もし、間違ってたりおかしな英語で翻訳されたものを読んだら、外国人に正しく伝わりませんよね。ニュアンスを伝えられていない可能性が大なのに、原作者に失礼じゃないですか?(売れればいいのか?)

 

 

 

 

いや、これはプロの翻訳家たちは怒るよね。仕事を機械に取られ、しかも機械が犯したミスを直す後始末だけさせられるワケですよ。安い賃金で(そして、それを直す手間ひまはとんでもなくかかる)!むかっ

 

 

でも、いったん出始めた技術は止められない。AIは進化する一方。品質もどんどんよくなるでしょう。最近では、英語ができない人に自然な表情と口の動きで英語をしゃべらせる動画を作る生成AIができました。

 

 

私が去年書いたブログ記事では、まだ口元が不自然だったのに⤵

 

 

上の記事に貼った映像は、ちょうど3年前のものでした。吹替の声優さんは要らなくなるかも、という不安は現実のものになってきました。進化の速度が速い。

 

 

AIの精度もどんどん高くなることを考えると、映像翻訳も時間との闘いという気はするけれども、それでも英語が分からない人でも、ほぼAIに翻訳させて「自分で訳しました」って商売が成り立つというのはあまりにも無責任な話で腹が立つ。

 

 

代わりに上手に怒ってくれてる翻訳者さんがいたので、ここに貼り付けておきます。若いのに、いいこと言ってるわー。話も上手だし(ってどんだけ上から・・・笑ううさぎ

 

 

ご自分の英語勉強法も紹介されてます(Domotoさん)⤵

 

 

いや、ホントに年間30万円も出すんだったら、その後のケアを考えてきちんとしたスクールに通って、きちんと仕事をしてきたプロの翻訳家の先生に習ったほうがずっとマシ。講座をとっても力がつかないのだから、お金が無駄になります。

 

 

 

 

特に出版翻訳だったら、このYoutuber、Domotoさんがおっしゃるとおり、しっかり時間と労力かけて勉強して、たくさん翻訳関係の本を読んで、やれるかどうかトライアルを受けてみればよいのです。

 

 

「スペシャリストになるのに近道はない」そのとおりです! 翻訳は完全な専門職。楽してプロになろうと思うなんてどうかしてる。

 

 

字幕でもすでにひどいものがあるのに、翻訳の質をさらに下げることで翻訳家の仕事単価を下げないでもらいたい!