お泊まり恋愛詩 -23ページ目

お泊まり恋愛詩

恋愛詩を集めたブログです。彼氏視点です。

かなりえっちな内容のものも少なくないですが、年齢制限せずにすむよう、端正で遠回しな表現に収めています。また、旧作に手を加えている作品が多いので、現在進行形のものはほとんどありません。更新休止中です。


あまりにかわいそうなので書けない


かわいそうな女の子の話。


買い物に出かけたけれど、僕は携帯を家に忘れたのに気づいた。

スーパーから自転車で引き返す。

駆け足で家のドアを通り抜けると、

留守番中の女の子が、僕の携帯のチェック中。


ため息をついて僕は女の子を見る。

凍りついた表情が目新しい。


「見ていいよ、好きなだけ。やましいことなんてないから」


力の抜けた動作で幾つかのボタンを押した後で、

ゆるゆると携帯がテーブルの上に戻される。


「もういいの?」


女の子が ぴく と頷く。


僕が出した2択は、

・別れる

・つらいだけのお仕置き

別れるなら合い鍵を携帯の脇に置けば良かったし、

お仕置きなら服を脱げば良かった。


何分間も凍った挙げ句、
硬い動きで、女の子は服を脱いだ。


それからのことはあまりにかわいそうなので書けない。

いつもの「ひどいこと」は

ふたりがえっちになるためのスパイスだったけれど、

この時の「ひどいこと」は

本当にひどいことだったから。


痛みと痺れのせいで、君が作ってしまった水たまりの上で、

僕は君を抱きしめる。


「僕を信じてよ。今日のことはもう許してあげるから」


女の子が くん と頷く。


まあ、たまにはこういう日もある。


恋愛相談はぐるぐるまわる


気持ちのなかにひとさしゆびを突っ込んで

ぐるぐるまわしているのが女の子


火打ち石みたいな硬い出来事に点火されて

こぶしをぐるぐるまわすのが男の子


誰もが同じ

そんな感じ


だから

雑談が恋愛相談に変わったら

僕はただただリラックス


別れを決めかねているのなら

ぐるぐるまわるうちに

チーズフォンデュのように重みを増してくるし

元鞘のきっかけを探しているだけなら

そのぐるぐるは

洗濯機と同じ仕組み


僕は

ほわんと思い浮かべてみたり

「分かるなあ」とか

「ちょっとさみしいね」とか

相槌を打ったりしながら

おとなしく

ぐるぐるまわりに立ち会う


ぐるぐる

ぐるぐる

もういいかな気晴らしをしよう


ぐるぐる

ぐるぐる

もういいかな


ぐるぐるが終わったら


いずれにせよ 最後はそこだ

美味しいものを食べるか

綺麗なものを見るか

楽しいことをするか

選択肢はそれくらい


チーズフォンデュは いただきますの号令へと続くし

洗濯機は 風にはためく洗濯物へ続くんだし

それが最適の帰結

すとんとうなずいたり


月に一度のピンセット


良い天気

まだ正午過ぎ

土曜日の円山町だけど

部屋は選び放題だった

夕方から音楽を楽しみに行くので

サービスタイムは途中で切り上げるつもりだ


白いかけぶとんのうえで君は仰向けだ

抜き取ったのは

スカートとストッキングだけ

ストッキングは地肌に穿くことにしていたので

それで必要な肌が空気に触れる


アイマスクとふわふわ手錠

汚れやすい白だけど君にはよく似合う


僕はつるつるの大地のために

ピンセットで地道な作業をする

切り取ったガムテープに収穫物をのせてゆく


一応 愛の営みの一部なんだよな と思っては

無言のまま時々舌を滑らせる

そして 君の息づかいを確認する

さらに 再びピンセット


ほとんどの服を着たままなのに

君のはだかレベルが上がってゆく

ふたりにとって大切な場所のひとつは

力を抜いたくちびるから少しだけ

舌をのぞかせたような姿


仕上げに

酸の味のするあたりで舌を踊らせる

たぶん結局

予定以上のことをする結果になるだろう

だってもう

収穫を終えた場所から

熱と香りがたちのぼりはじめている