お泊まり恋愛詩 -11ページ目

お泊まり恋愛詩

恋愛詩を集めたブログです。彼氏視点です。

かなりえっちな内容のものも少なくないですが、年齢制限せずにすむよう、端正で遠回しな表現に収めています。また、旧作に手を加えている作品が多いので、現在進行形のものはほとんどありません。更新休止中です。


ディズニーランドの坂道


スパークリングのミネラルウォーターみたいに

えらくさわやかな家族連れや恋人たちの行列に参加したせいで

君は見るからにめりこんでいる

小石ひとつ落ちていないから

やけっぱちな歩き方しかできないけれど

小石があればたぶん蹴っているよね


  あたしって やっぱ へんたいだ


ふざけて肯定したい気持ちを封じこめて

そっと

ぎゅっと

抱きしめる

薄い服の生地を通して

麻縄の結び目がごつごつしている

僕のブルゾンの胸のあたりに熱い涙がしみこんでくる


  もうだいじょうぶ はなして


と言いながら君がもがきはじめるまでの数分間で

つくりものの岩の影がかすかに動く


化粧を直しに行って帰ってきた君は

やっぱり小石を蹴りたそうな足取りが残っていたので

僕はカメラを取り出した


  シャッター押してもらえますか?


とまじめそうなカップルの男の方に話しかける


  いいか 超・笑顔だからな!


と微妙な表情のままの君に話しかける


  なにそれ


と言う君のちょっと苦しい笑顔

本当はそれをカメラに収めたい


思潮社の現代詩文庫


懐かしさに読み直そうとして
何冊か手にとってみた
やめた
現代詩なんて不幸な場所に
近づくもんじゃない


本を読んでいる割に
僕はことばを知らない
家事についてのやさしいことばと
愛し合うためのやさしいことばと
計算機科学のことばとを
ある程度使えるくらい
キリスト教のことばも使えるけれど
カトリック専門のことばは知らない
あとは
なんとなく雰囲気で振り回しているのが僕のことば


好きな本を訊かれて
井坂洋子の朝礼を挙げるか
結城浩の数学ガールを挙げるか
迷った挙げ句
セイントおにいさんを挙げるような僕だ
表記は聖おにいさんだったか
聖・おにいさんだったか


もどかしく迂回する
蛇行そのものが僕の詩のことばだ


ことばを知っていても
たいていのにおいはことばに乗らないから
それでいい
内心では
伝えたいのはある種のにおいで
それは目の前のひとにしか届かない


感動


「感動」って

感じちゃって

かってに動いちゃうことだよな

なんて

馬鹿なことを言ったら

しーって言われた


電車はそこそこ混んでいて

いま川を渡る橋の上で徐行運転の最中


夕焼けの眠いオレンジ色が

君の髪を照らしている


ふと


前髪が少し短くなったかも知れない と気づく

瞳と眉と前髪の位置関係


これを褒めたら

今夜 君が「感動」するためのポイントがひとつ増えるね

制服の胸のリボンを今すぐにでも抜き取りたい