ディズニーランドの坂道
スパークリングのミネラルウォーターみたいに
えらくさわやかな家族連れや恋人たちの行列に参加したせいで
君は見るからにめりこんでいる
小石ひとつ落ちていないから
やけっぱちな歩き方しかできないけれど
小石があればたぶん蹴っているよね
あたしって やっぱ へんたいだ
ふざけて肯定したい気持ちを封じこめて
そっと
ぎゅっと
抱きしめる
薄い服の生地を通して
麻縄の結び目がごつごつしている
僕のブルゾンの胸のあたりに熱い涙がしみこんでくる
もうだいじょうぶ はなして
と言いながら君がもがきはじめるまでの数分間で
つくりものの岩の影がかすかに動く
化粧を直しに行って帰ってきた君は
やっぱり小石を蹴りたそうな足取りが残っていたので
僕はカメラを取り出した
シャッター押してもらえますか?
とまじめそうなカップルの男の方に話しかける
いいか 超・笑顔だからな!
と微妙な表情のままの君に話しかける
なにそれ
と言う君のちょっと苦しい笑顔
本当はそれをカメラに収めたい