光あふれる夏の拭き掃除 | お泊まり恋愛詩

お泊まり恋愛詩

恋愛詩を集めたブログです。彼氏視点です。

かなりえっちな内容のものも少なくないですが、年齢制限せずにすむよう、端正で遠回しな表現に収めています。また、旧作に手を加えている作品が多いので、現在進行形のものはほとんどありません。更新休止中です。


光あふれる夏の拭き掃除


君は友達と水着を買いに行った

僕は麻雀を打ちにゆくか詩を書くかで迷い

詩の限界について

いつもと同じメモを書き散らした挙げ句

メモを捨てるついでに拭き掃除に耽る


喩法を振りかざしても

君の息からたちのぼる香りは蘇らない

君が簡単に浮かべる涙と

僕の詩の言葉とは同じ類の成果だ


収穫と呼ぶに相応しいのはむしろ

呼気と幾種類もの体液と

それらの香り

鼓動と体温と視線の振る舞いと


掃除は回想

かんたんマイペットの控えめな香料を嗅ぎながら

フローリングに残る蝋滴を剥がし

褪せた白や焦茶や透明のしみを拭う


今頃 君はオレンジ色に輝きながら

友達と笑っている

それは夜と昼との落差を広げるための飛翔