行きのドライブ
助手席で地図をくるくる回していた君は
あっという間に ナビをあきらめていて
しばらくすると ずり落ち気味に眠りこけていた
窓の外を並木がしばらく流れ
道幅が拡がったあたりからは
外食チェーンの大型店舗が現れては飛び去る
ひときわ大きい建物は
やはりパチンコ屋だ
遅めのチェックインのためにレンタカーを飛ばす
久しぶりのプチ旅行だ
お仕置きには理由が必要なので
その都度 知恵を絞るのがS彼としての務めなのだが
君の場合はとても簡単なんだよな
助手席で寝ちゃダメだからね
俺を独りで運転させるなよ
と言ってドライブに連れ出せばいい
君は100%爆睡するから
高速に乗る前に
夕日がまぶしくてサンバイザーを下ろす
美味しそうに照らされた君の寝顔が横目に映る
お仕置きの時の泣き顔を想像して胸が躍る
やわらかい寝息が 鼓動にガソリンを注ぐ
昼と夜との境の橋を渡るために
さらに
アクセルを踏み込んでいく