婚活小説(大阪・京都・神戸;関西)『マリッジ・コンサルタント優子の婚カツ(コンカツ)物語』 -35ページ目

『3』 いろんな人に出会いたい(第2回『クリスマスイブの庭』)

第3回『『△のきもち


この小説は、大阪・京都・神戸;関西の婚活に創業18年、約5,000組の成婚実績のある結婚紹介所エムロード のサイト上で、連載しているブログ小説『マリッジ・コンサルタント優子の結婚(婚活)物語(大阪・京都・神戸;関西)』 のアメブロ版として、連載しています。


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■最初から読む    → 『1』姉に付き添われて

■前回のお話はこちら → 『2』ひとりぼっちの理由

■今回のお話はこちら ↓ 『3』いろんな人に出会いたい



加賀谷幸平はなりたてほやほやの弁護士だ。  


主に民事を請け負っているようで、その忙しさは想像がつく。  


それでも幸平は、会社に近いからと時折エムロードを訪ねてくるようになった。


「優子さんの顔、見にきましたよ」

「あら。うれしいこと言ってくれるじゃないですか」


優子の顔がほころぶ。  


紺のスーツに白いワイシャツ。


残暑は厳しいが、彼のいでたちは派手過ぎずいつもすっきりとさわやかだ。


にこっと笑う姿はとても人懐っこい。


初めて姉に連れられてここに来たときの仏頂面を思い出すと、優子は心の中でにんまりしてしまう。


優子には31歳の幸平よりも少し年下の娘がいるが、こんな息子もいたらいいのにとふと思ってしまうほどだ。


「まあ、お茶でも飲んでいってちょうだい」  


いつも丁寧な言葉遣いを心がけている優子も、幸平には時々本当の母親のように声をかけてしまう。


それもまた彼にはうれしいようだった。  


失礼します、とさわやかに言って、椅子に腰掛ける。  


優子は冷たいお茶の入ったカップを幸平の前に置いた。  


幸平はそれをひと口すすると、ちょっと大変だった仕事の話をした。


「そういう話をうんうんって聴いてくれる、可愛いお嫁さんを探しましょうね」  


ひとしきり聴いた後に優子がそう言うと、幸平は明るく言った。


「優子さん、ぼく、いろんな人に会いたいんですよね」

「いろんな人... 」

「今まで、出会いがありそうで、なかったんですよ。

ぼく、ほとんど中高と男子校で、大学も法学部で女子とはほとんど無縁だったんです。

だからいろんな人に素敵な出会って、最高の人を見つけたいんです」

「でもねえ... 」  


優子は反論しかけた。


確かに幸平ほどの条件で、ルックスもいい男性には、結婚相談所でもたくさんのチャンスがある。


向こうから気に入られる可能性も相当高いだろう。  


だからといって、いい成婚に結びつくかどうかは、本人次第だ。  


実際、1ヶ月に何人もの人とお見合いをすると、迷いが出てしまって決まりにくい。  


真面目に一人ずつ見極めていかなければ、本当の幸せにはたどり着けない。


それは優子がこの仕事を長年見てきて得た実感だった。  


けれどもそう理屈を言ってみたところで、今の幸平には理解できないかもしれないと、優子は直感的に思った。


「そうね。ゆっくり最高の人を選びましょう」  


そう言ってはみたが、心の中にはすでに会わせたい女性の顔が浮かんでいたのだった。




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第2回のお話のバックナンバーはこちら『クリスマスイブの庭』



《1》 定年の日に

《2》 親の嘘

《3》 優子さんの部屋

《4》 やさしすぎて

《5》 データでは見えない「心の強さ」

《6》 あなたにだけ、紹介したいの

《7》 口を出す父親

《8》 言いたいことが言える相手

《9》 双方、父親

《10》 父親というもの

《11》 イブの夜の悪夢

《12》 根っこの役割



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