婚活小説(大阪・京都・神戸;関西)『マリッジ・コンサルタント優子の婚カツ(コンカツ)物語』 -2ページ目

〈12〉 オークラのバーで(大阪・京都・神戸;関西の婚活小説『2杯目のジンジャーエール』)

第5回2杯目のジンジャーエール


この小説は、大阪・京都・神戸;関西の婚活に創業18年、約5,000組の成婚実績のある結婚紹介所エムロード のサイト上で、連載している婚活 小説(大阪・京都・神戸;関西)『マリッジ・コンサルタント優子の結婚(婚活)物語』 のアメブロ版として、連載しています。


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3時間。


そんなにも長時間、里奈は初めて人を待った。  


亮一はそれでもなんとか9時より少し前にと駆けてきた。


白衣とネクタイだけはずして。  


席につく前に里奈に大きく手を挙げ、息が上がって言葉もなく席についた。


「おつかれさま」  


里奈はさっき着いたように軽く言って微笑んだ。


でも目の前には2杯目のジンジャエールが半分以下になっていた。


「あー。ほんとにごめんなさい。おなかすいたでしょう。ここ、出ますか」

「まあ、一息ついてください」  


うなずいて亮一は里奈のグラスを見おろし、黙ってビールを二つ頼んだ。  


バーテンダーは1人で待っていた里奈の気持ちに成り代わったように


気持ちのよい笑顔で「かしこまりました」と答えた。


「まさか、待っててくれはるなんて、思ってもみなかった」

「私が、でしょ」  


里奈は胸を張って言った。


「いやその、そういうことやなくて」

「父がね... 」  


里奈はグラスを手にして言いかけた。


が、本当のことを言うのはかっこ悪いような気がした。


「お父さんが、何か言わはったの?」  


亮一がその横顔を覗き込んだ。  


ビールが二つ、やってきた。  


二杯目のジンジャエールは役目を終えた。  


二人は乾杯、とグラスをくっつけた。  


里奈はひと口飲んで「ビールってなんて美味しいんだろう」と思った。  


仕事を終えて駆けつけて来てくれた亮一と、


本当は会えなかったかもしれない亮一と、飲むビールは。  


心からそう思うと、こんな言葉が出た。


「父がね。医者は大変なんだ、って」  


亮一はごくごくとうれしそうにビールを飲んでから、答えた。


「お父さん、わかってらっしゃるな。会いに行こうかな」

「ものすごく呑むわよ」

「負けへん」

「肝臓壊すわ。医者の不養生やわ」

「なんでそんなに呑むかわかる?」

「... 」  


小首を傾げた里奈に、亮一は胸を張って言った。 


「医者は大変なんだ」  


二人は顔を見合わせて笑った。



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以下のリンクから過去のお話をお読みいただけます。

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第1回『花火』

第2回『クリスマスイブの庭

第3回『△のきもち

第4回『あなたへのドルチェ』





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