🔞ＢＬにつき苦手な方は⇨out
・・・再び静まりかえる。
この空気ホント耐えられない。
気まずい思いが勝っちゃって
オレの口が今にもバラしそう。
『実はドッキリなんだ』
だけどそんなコトを言ったら
そこで終わりなの分かってる。
そのあとの智に何をされるか
考えるだけでも恐ろしすぎる。
とりあえずなんか言ってほしい。
「・・・カズ・・・」
「はっ・・・はいっ」
智が口を開くまでの間が
相当に長い時間に思えた。
思わず声が裏返っちゃった。
「・・・試してみるか？」
「え・・・っ、ぇえっ？」
で、マジでそっちの答えだっ。
え、これホントに智、だよね。
「い、い、いいの・・・
さ、智はそれで・・・っ」
「だって仕方ねぇだろ？
女、抱いてこい、なんて
そんなん言えるワケねぇし。
お前が俺以外の奴となんて
たとえ女でも許せねぇから。
でもガマンしろなんてことも
言えねぇだろ。男だったら
入れたい気持ちも分かるし」
真剣に、丁寧に、言葉を紡ぐ智。
オレの中に益々、罪悪感が募る。
でも、申しワケないと思いつつ、
ちょっと肌が粟立つくらいに今
感動しちゃってるオレも、いる。
だって、こんなに真剣に考えて。
それでこんな答えをくれたんだ。
それはきっとオレのために・・・
「さ、智・・・ありがとっ」
「何だよ、泣いてんのか？」
「な、泣いてないよ・・・」
オレは、ズズッと鼻をすすった。
思いがけずに知れた智の本音に
オレはホントに泣きそうだった。