今回と次回2回に分けて、老齢年金の繰下げについて考えておきたいと思います。


老齢年金の繰下げをする場合、繰下げている間の生活費がどれくらいかかるのかは把握しておいた方がよさそうです。


以前の回でも触れましたが、夫婦2人の老後の最低日常生活費の平均は月約22万円です。


正確には月22.1万円で、年間にすると265.2万円。

もし年金以外の収入がなければ、年間約265万円ずつ貯蓄を取り崩して生活することになります。


もし、70歳まで繰り下げるとしたら、65歳から5年間分の1,326万円の蓄えが減るわけです。

しかも、この数字は、夫婦2人が最低日常生活費で生活した場合です。


ゆとりある老後の生活費で計算すると、月約36万円。

正確には、月36.1万円で、年間にすると433.2万円。

この5年間分となると、2,166万円の蓄えが減るわけです。


このことからわかることは、繰下げるなら、蓄えがそれなりにあるか、あるいは、65歳以降も働くなど収入があることが前提になりそうです。


次回は、繰下げがどのくらいお得なのかを考えていきたいと思います。