ある日から、
兄がやけに耳かきを要求するようになった。

もちろん、家事をやらされる生活も続いていた。

外に出られない生活も、変わらなかった。

でも

耳かきだけが、どんどん増えていった。

一番やりたくなかったのが、
この耳かきだった。

怖かったから。

それが増えていくたびに、
私の恐怖もどんどん大きくなっていった。

「また耳かきしなきゃいけないのかな」

そう思うだけで、
怖くなった。

それでも私は、
兄の要求を断ることができなかった。

断れば、また殴られる。

だから

怖くても、やるしかなかった。