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今まで以上にゆうくんの怒りの沸点がわからなくて会話がなくなっていた。
ある日ゆうくんが急に出かけようと言い出した。
🙋♂️「明日休みだからどっか連れて行ってあげる!」
🙋♀️「明日祝日だから仕事でしょ?」
🙋♂️「明日休み!」
🙋♀️「いいよ、ゆうくん好きなことしてなよ。」
一緒に出かけたらまた何を言われるかわからない…
わたしは嫌な予感しかしなくて断った。
🙋♂️「せっかく休みだし行きたいところ連れて行ってあげる!お前出かけたがってただろ。」
一緒に出かけたかったのなんて毒義母着信事件が起こる前、2ヶ月以上前のことだった。
今まで祝日休みなんてなかったのに急に休みで怖かった。
🙋♀️「じゃあ自然のある場所行きたい。」
買い物とかそういう気分じゃなかった。
なにか買ったら「無駄だ!」なんて言われて喧嘩になるのが目に見えている。
寝る前インスタでいろいろ調べていたら"美人林"というところを見つけた。
行きたいのは自然いっぱいのまさにこういうところだった。
今思えば相当わたしの心が疲れていたのだろう。
ゆうくんがわたしと不器用ながらもやり直したい気持ちが伝わってきて、わたしは複雑な気持ちだった。
でもいつかはこの人とお別れしないとわたしはいつまでも奴隷のように扱われてしまう気がした。
わたしは森林浴をしてリラックスをして心を癒した。
お腹がすいてきたお昼頃、ゆうくんは言った。
🙋♂️「お前がずっと行きたがってたカフェ行こう!ずっと行きたがってたから連れて行ってあげる。」
なんで今日はこんなに優しいのだろう…なんだか優しいと素直に受け入れられなかった。
🙋♀️「行きたいけどすごい遠いよ。ここから2時間くらいかかるし、帰り道の方向じゃないと思うよ。」
🙋♂️「なないつも頑張ってるからたまには行きたいところ行こう!」
たまにあるご褒美。
ご褒美の後はなにかと要求して従わせてくるのがゆうくんの技だった。
嫌な予感がしたけど行くことになった。
もちろん車の中はほぼ無言。
2時間の道のりを経てずっと行きたかった古民家カフェに着いた。
2人で日替わりランチを食べお腹いっぱいになった帰り道、わたしに悲劇が起きた。
突然の吐き気と腹痛に襲われた。
みぞおちをずっと殴られている感覚で冷や汗が止まらない。
わたしは我慢できずに言った
🙋♀️「ゆうくんごめん。体調悪くてトイレ行きたい。」
声を出すのも精一杯だった。
するとゆうくんが大きなため息をついて言った。
🙋♂️「ガソリンスタンド行きたいからそこで車停めるわ。絶対車で吐くなよ。」
吐くなと言われると吐きそうになる。
でもゆうくんの大事な車に吐いたら今までにないくらいに怒られる。
ガソリンスタンドに着いてトイレまで走りたかったけどめまいが襲って歩くのも辛かった。
這いつくばるようにトイレまで行って落ち着いて車に乗った。
🙋♂️「遅っ。」
🙋♀️「ごめん。まだ具合悪いけど少し落ち着いた。」
そう言っていたら数分後、また吐き気と腹痛が襲ってきた。
🙋♀️「やばい。また具合悪くなってきた。」
動悸も止まらなかった。
🙋♂️「まじでいい加減にして。もう家だから。」
家に帰ってトイレに走った。
落ち着いてトイレから出たらゆうくんが呆れた顔でわたしに言った。
🙋♂️「俺がせっかく出かけに連れて行ったのになんなの?まじでお前といると疲れるわ。」
🙋♀️「ごめん。」
悲しくて泣きそうだったけど堪えた。
🙋♂️「お前もう寝てて。まじでお前と生活するの無理だわ。」
わたしは大人しくベッドで寝た。
あまりの顔の青白さに母に写真を撮って送った。
母は心配して連絡をくれるほどわたしの顔は死んでいた。
ドア越しにお笑い番組を見てゲラゲラと笑うゆうくんの声が聞こえた。
ただただ虚しかった。
