- ほうせんか・ぱん (白泉社文庫)/大島 弓子
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◇ほうせんか・ぱん、1973年、大島弓子さんの作品です。
◇大島さんの作品は、若い頃、大好きでした。このたび、押入れを整理していると、大島さんの作品集がいっぱいでててまいりまして、それでは、も一度読み反しながら、コメントなどかいてみようか、と...。
◇どのくらい好きだったかと申しますと、これでテーマひとついけちゃいそな、くらいです。
◇さて、この作品、この刺激的なタイトルだけで、心を貫かれた感じです、ぱんっ.....!て。1973年に、なぜ別冊少女コミック8月号に掲載されたこの作品を読んだのか?摩訶不思議ではあるものの、ここはサらりと流しましょう、覚えていないし。タブン、かすかな記憶では、当時ヘルマン・ヘッセやテオドール・シュトルムなどのドイツ文学を読んでいた僕は、ある時、萩尾望都のトーマの心臓という漫画(←ドイツっぽい漫画デス)にはまってしまいます。きっと、その流れで、少女マンガ誌を読んでいたのだと思われまス、はい。
◇ともかく、大島さんという方は当時知っていたような気はしますが、タブン読んだのはこの作品が初めてで、大変大きなショックを受けた記憶があります。その大きさは、計り知れなくて、その後大学生になった僕は、ごみアーティストの仲間入りをするのですが、『雨の音が聞こえる』とか『いちご物語』とかいう曲を創って、吉祥寺界隈で歌っていました。全て大島さんの漫画のタイトルのパクリです。
◇それはともかく...この作品、主人公みどりの幼なじみのマーヤが、ある日突然変貌し、耳に穴をあけてダイヤの為に金の亡者になっちゃう。本当は好きだった秋生くんでさえ、マーヤならと許していたのに...。
◇ってことは、当然訳あり。でもインドに一発屋の父親とダイヤ探しにいくって話に、不覚にも騙されちゃう(僕も)。で、さいごは...。
◇なんていうのかな、いま読み返しても、騙されました。別に騙されるような話じゃないんですが。そんで、ラストには、ちょっとした感動があります。ちょっとしたものですが。
◇たいてい、主人公が思いっきり、思い込んでるケースが多いので、つられて読者もすっかり騙されるのですが、それが心地いいというか...。そんな感じ。きっと主人公の気持ちに上手くはいっていけるように創られているんでしょうね。
この本は、短編集です。
1.海にいるのは...
2.ほうせんか・ぱん
3.ほたるの泉
4.銀の実を食べた
5.わがソドムへどうぞ
6.まだ宵のくち
(7.あとがきまんが)