今回は、ドゥービー・ブラザーズ再結成前の前期から後期への過渡期にあたる1975年の作品『Stampede』です。
個人的には大好きな曲が数多く収録されている作品であり、ドゥービーズの中でも一番好きな作品(全作品しっかり聴いたわけではないですが)です。アルバム全体の完成度も、ドゥービーズの中ではとりわけ高い方ではないでしょうか。
アルバムジャケットについてもLPだとかなり迫力があり、持っているだけでも満足できますね。

全体的には、これぞアメリカンロックと言わんばかりの充実した内容で、ライ・クーダービル・ペイン(リトル・フィート)、マリア・マルダーなどといったアメリカンルーツミュージックに造詣の深い面子もゲストとして加わっています。アメリカンルーツに根差した濃密なサウンドで、尚且つ彼ららしいバンドの豪快さも相まって非常に完成度の高いアメリカンロックに仕上がっています。

このアルバムの魅力は、ツインドラム(これは以前からそうでしたが)、トリプルギターという点。このようなスタイルは、サザンロック系によく見られますね。
ブルージーなトム・ジョンストン、フォーク/カントリー系のパトリック・シモンズ、そしてこの作品から正式加入した技巧派のジェフ・バクスターという、まさに三者三様の編成。このトリプルギターの絡み合いも聴きどころです。

もう一つの魅力としては、ストリングス/ホーンアレンジニック・デ・カロポール・ライザー、さらにはなんとあのカーティス・メイフィールドが担当しています。


【楽曲】
  1. Sweet Maxine
  2. Neal's Fandango
  3. Texas Lullaby
  4. Music Man
  5. Slat Key Soquel Rag
  6. Take Me In Your Arms (Rock Me A Little While)
  7. I Cheat The Hangman
  8. Precis
  9. Rainy Day Crossroad Blues
  10. I Been Workin' On You
  11. Double Dealin' Four Flusher

〈特筆すべき楽曲〉
#1
冒頭のピアノからもう鳥肌が立ちます。個人的には、「アメリカンロック」という言葉を聴くと反射的にこういったサウンドが脳内再生されます。

#2
パトリックによるカントリーロック調の楽曲。こういったテイストは彼ならではですね。

#3
ニック・デ・カロによるストリングスアレンジが映える楽曲。アメリカ南部の地テキサスへの郷愁といった趣がひしひしと伝わってきます。

#6
R&Bのナンバーが、ドゥービーズらしいロックに変貌しています。キレのあるギターカッティング、ストリングス(掲載した動画では聴こえません…)が聴きどころ。まさに名カヴァーですね。



#7
6分半ほどあるこの大作は、いかにもバーバンクサウンドだなという感じがしますね。圧巻です。

#8
こちらは打って変わって短い曲ですが、嵐の後の静けさに似た味わい深い演奏。まさにジェフ・バクスターの独壇場ですね。

#9
ここでライ・クーダーが登場し、ギター合戦が展開されます。タイトルも趣深いですね。後半でスッと入ってくるストリングスも堪りません。

#11
シャッフルのリズムが最高に心地良いブギーロック調の楽曲。個人的に、ドゥービーズの曲の中では一番好きな楽曲です。後半で何故か今までのサウンドとは雰囲気の異なるエレピソロが入りますが、これはキーボーディストのマイケル・マクドナルド主導の後期ドゥービーズの伏線なのでは、などと思ってしまいます。


以下、今回の関連作品です。