今回は、ネッド・ドヒニーの88年作『Life After Romance』。日本のみでリリースされた、復帰または移籍第一弾作品です。
79年の『Prone』(これもまた日本のみでのリリース)から9年後にリリースされたアルバムということで、ブランクがあっただけに粒揃いの傑作となっています。

ちなみに彼は、本国アメリカよりも日本での人気が高い、いわゆるBig in Japanの好例(AORでは結構ありますね)。日本のみでのアルバムリリースが多いことからもわかる通り、最近はわかりませんがとにかく本国では過小評価されているミュージシャンですね。

【楽曲】

1.WhatCha' Gonna Do for Me?

2.Love's a Heartache

3.'Til Kingdom Come

4.Follow Your Heart

5.Back to the World

6.Heartbreak in the Making

7.Can't Help But Love Her

8.Life After Romance


〈特筆すべき楽曲〉

#1

アヴェレージ・ホワイト・バンドチャカ・カーン等でもお馴染みの、彼とヘイミッシュ・スチュワートの代表曲。アルバムジャケットのような、夏の16〜18時くらいの静かなビーチの風景が思い浮かびます。


#2

AORファンの間で評価の高いソウル/R&B系バンド、クラッキンレスリー・スミスに提供した楽曲。ちなみにレスリーは、この後もバックグラウンドボーカルとして彼の作品に貢献することになります。イントロのリムショットや、メランコリックなギターのアルペジオサウンドが印象的。


#4

特にコーラス(サビ)パートでは、思わず晴々とした気分になります。キラキラとしたシンセベル(?)の音や、ティモシー・シュミットによるバックボーカルが乗っかることにより、爽快なサウンドに仕上がっています。


#6

ブルース寄りのフュージョンギタリストとして知られるロベン・フォードとの共作で、エモーショナルな展開が魅力的な楽曲。ネッド自身による熱いギターソロも聴くことができます。またこの曲と#8は、前にも触れたことがありますが、イギリスのシンガー、トニー・ストーンに提供した楽曲でもあります。



#7

78年の来日コンサートでは既に披露していたということなので、『Prone』が発表される前から存在した曲と言えます。

コードに関しては、イントロはDm7/G→Em7/Aの反復、メインパートはFm7/B♭→Gm7/C中心の展開となっています(ギターのコードフォーム自体はいずれも同じ)。イントロが終わりEm7/AからFm7/B♭へ移行することで、僅かに雰囲気が変わるこの瞬間がたまりません。個人的にはこのアルバムの中で一番好きな曲です。


#8

表題曲は、じっくりと聴かせるスローバラード。転調後は、形容し難い切なさのようなものを感じます。




以下、今回の関連作品です。