今回は、ネッド・ドヒニーの93年作「Between Two Worlds」。
リフ主体の楽曲が多い為か、彼のディスコグラフィーの中では特に目立たないアルバムではありますが、地味ながらも展開にハッとさせられる楽曲が多い佳作です。

またこのアルバムにおいて彼は、比較的歌詞の方に力を入れているような気がします。是非歌詞カードを読みながら聴いていただきたいアルバムです。


【楽曲】

1.Never too Far to Fall

2.Between Two Worlds

3.Too Late For Love

4.I Will Let You Go

5.Ghost Dancer

6.Trail's End

7.Love in the Rear-View Mirror

8.Diary of a Fool

9.Down to My Last Dream

10.For All the Good it Might Do


〈特筆すべき楽曲〉

#1は、アルバムの中では一番メロウで聴きやすい楽曲。彼の作品にあまり馴染みの無い方は、この曲が一番とっつきやすく感じるのではないでしょうか。ちなみにこれは、ジョージ・ベンソンに提供した楽曲で、そのバージョンは彼の83年作「In Your Eyes」で聴けます。


#2は、物憂げな雰囲気が魅力的な表題曲。1サビ後からの、サイドギターのアルペジオが美しいです。


#4も、感傷的な気分になっているときに聴いたら、思わず涙が出そうなくらいメロディアスな楽曲。


#5は、不気味なギターリフ主体の楽曲。なんとこのリフは、彼が過去にギタリストとして参加していたチャールズ・ロイド(ジャズミュージシャン)の70年作「Moon Man」での「Heavy Karma」という曲で、同じようなリフが確認出来ます。彼がギタリストとして客演していること自体相当珍しいので、この事実には驚きましたね。また、この曲のクレジットに記載されている"James Zitro"は、そのセッションの時のドラマー。

https://youtu.be/dT3JOE-jhZM


#7は、このアルバムの「展開にハッとさせられる」曲の中でも、特にそれを強く感じた曲。魅力に気付いてからは、この曲を何度も聴いていますね。


#8は、いかにもAORといった趣のメロディアスな楽曲ですが、これは、親交の深いアヴェレージホワイトバンドのメンバーアラン・ゴーリー85年作「Sleepless Nights」に収録された楽曲のカヴァー。意外にも、ネッドが他のミュージシャンの楽曲を自身のアルバムでカヴァーしたのはこれが初めて。


#10は、このアルバムでは唯一弾き語りとコーラスだけの楽曲。彼のファーストアルバムに入っている「It Calls for You」を連想させます。



以下、今回の関連作品。チャールズ・ロイドの「Moon Man」は見つかりませんでした… YouTubeにフルが上がっていたので、是非そちらで。