今回は、Pocoの1971年発表のアルバム「From The Inside」について。

前作でギター、ボーカル、更にはプロデュースを担当したジム・メッシーナが離れ、バンドはここで一区切りがつきます。ギター兼ボーカルのポジションは、ラスティ・ヤングとも親交のあったという元Chicagoのピーター・セテラの推薦によりポール・コットンが加入します。ポールはPocoに入る前はIllinois Speed Pressというロックバンドに在籍しており、プロデューサーはChicagoと同じくJ.W.ガルシオ。

♫P.N.S.(When You Come Around)
この曲は、後にメロディ、アレンジを大幅に変えて1976年のポコのアルバム「Rose Of Cimarron」に収録されます。


ポール・コットンの加入によって、ポコのサウンドにも少しずつ変化がみられるようになりますが、このアルバムでは「Railroad Days」が顕著です。サザンロック寄りのサウンドとポールの渋いヴォーカルの組み合わせが絶妙。

録音はサザンソウルがお好きな方にはお馴染みのメンフィス、さらにプロデューサーはBooker.T&The MG'sのギタリストであったスティーブ・クロッパーということもあり、本作からはサザンソウルの良い意味での泥臭さが抽出されたカントリーロックという感じがしました。その筆頭は「Do You Feel It Too(このバージョンはファーストアルバムの頃の作品のリアレンジ)」「Ol' Forgiver」。粘り気のあるリズムセクションも魅力的。


それでもHoe Down」「You Are The One」の2曲は、初期の頃の軽快な雰囲気が感じられます。


また、2ndアルバムで正式に加入したボーカル&ベーシストのティモシー・B・シュミットもこの作品から徐々に存在感を増していくことになり、ここではタイトル曲「From The Inside」を提供しました。


そして、リッチー・フューレイは「What Am I Gonna Do」「What If I Should Say I Love You」「Just For Me And You」の3曲で伸びやかな歌声を聴かせてくれますが、この3曲は特にメロディが素晴らしく、穏やかな気持ちにさせてくれます。Just For Me And Youの方は、ビートルズのTicket To Rideを意識していると思われますが、ここでは最後の方でラスティ・ヤングによる躍動的なソロが堪能できます。


全体的に、ウエストコーストロック特有の青空が似合うサウンドというよりは曇天の風景を連想させるような曲が多い気がします。これを象徴するようなタイトルの2曲目「Bad Weather」は、こちらもまたイリノイスピードプレス時代の曲で、このアルバムのハイライト曲だと思います。



↑「Railroad Days」が3回、「Just For Me And You」が2回聴くことができます。


【一部、自ら投稿したアマゾンレビューを若干改変しています。】