当時付き合いっていた彼女が応援してくれていたので、
心療内科と並行して都内の吃音矯正所にも通ってみました。
心療内科で診てもらっても、薬が処方されるだけで、
医師から具体的なアドバイスがあるわけでもなく、不満だったからです。
そこで、何か他に改善策はないかとインターネットで調べているうちに、
吃音症経験者のアドバイザーが複数支援しているという
吃音矯正所を見つけ、そこに可能性を感じたのです。
やはり、吃音のことは、実際に吃音症を経験し克服してきた人のアドバイスを受けないと、
なかなか自分自身の打開策を見つけることはできないと思いますし、
この考え方は、今でも変わっていません。
ただ、他の多くの吃音矯正所がそうであるように、
僕が見つけた矯正所もかなり高額な参加費を支払わなければなりませんでした。
僕が払った金額は、入会費が3万円で、その後月会費を2万円程度払い続けました。
ただ、今では月会費数千円のところもあるでしょうし、
初月無料で参加できるところもあるようです。
しかし、問題はそこではありません。
以前の僕がそうであったように、長年吃音で悩んでいる人なら、
どんなに高額でも、キチンと吃音を治す方法を知ることができれば良いと思う人が
圧倒的に多いと思うからです。
僕の場合はどうだったか・・・
僕はここで一律に吃音矯正所の非難をするつもりは毛頭もありません。
けれど、毎月大きな出費が増えただけで、
吃音矯正所は何の問題解決にもなりませんでした。
もちろん、個人差はあるでしょうし、素晴らしい吃音矯正所に出会うことが出来た
幸運な人もいることでしょう。
僕の場合、吃音矯正所ではまず、発音練習や発声トレーニング、腹式呼吸法などを
繰り返し行うことを勧められました。
吃音者によってはこれらの発音トレーニングが有効であることは、
一般書籍などにも書かれてあるし、僕も知っていたことです。
実際に、吃音矯正所に通っていたかなり重度の吃音者で、
発音や呼吸法を日常的に取り入れることで、
少しずつ吃音が矯正されていった方も幾人かおられました。
しかし、僕にとってはどんなにトレーニングを継続しても、
改善の傾向がほとんど見られなかったのです。
それでも矯正所のトレーナーやアドバイザーは、
「この方法を繰り返していけば絶対に大丈夫!継続して!!頑張って!!」
と、励ましてくれるのですけど、
自分に合いそうもない方法であることは、自分自身が一番良く知っています。
また、矯正所のグループミーティングでは、
僕と同じように長らく吃音症に悩んでいる人もたくさん参加し、
だいたい毎回10名前後の人がトレーニングの成果や、
悩みについて打ち明けたり、といったことをやってきました。
確かに同じ悩みを持つ者同士で話し合えるのは、一般的には良いことだと思います。
僕が心療内科に不満感を抱いたのも、
「吃音者の気持ちが分からないくせに薬ばかりすすめやがって!」
という気持ちがあったからです。
だからこそ、グループミーティングのある吃音矯正所を選んだのですが・・・・
そんな吃音矯正所の環境も、僕には合わなかったのです。
「吃音者」とひと口に括りますが、誰一人として全く同じタイプはいないし、
それを無理やり「こうやれば良い」「みんなでこうやって治しましょう!」
というノリに、僕はついていけなかったのだと思います。
こんな状況を、彼女に合ったときには率直に話すようにしていました。
「僕が捻くれ者なのかな?」というと、
「そんなことはないよ」と、彼女は励ましてくれていました。
彼女の励ましだけは、素直に聞くことができたし、
彼女といる時だけは、吃音の程度も軽くなっていたような気がします。