吃音治療と向き合ってきたMr.Mの吃音の原因を探る日記 -3ページ目

吃音治療と向き合ってきたMr.Mの吃音の原因を探る日記

長年吃音症に悩まされてきた僕の吃音治療の経過と、吃音の原因を探りながらどもり症との向き合い方を綴った日記です。



僕は高校卒業後10年以上も定職に就かず、

フリーターの立場で工事現場を転々として生きてきました。



その間、付き合うようになった彼女からは、

「早く正社員になって・・・」とせがまれたりしましたが、

お互いに結婚を意識せざるを得ない年齢にもなっていたので当然のことでした。



しかし、臆病者の僕はなかなか踏ん切りがつかず、

真正面から向き合うのを避けてきてしまった・・・。



それが原因で、付き合って3年目に差し掛かったころ、

彼女から愛想をつかされたのです。



僕が大切な彼女を失ってまで、頑なに正社員としての就職を

拒んできた理由は2つあります。



一つ目は、就職面接への恐怖です。


正社員の面接ともなれば、バイトどころではない高いコミュニケーション能力をチェックされると過度に意識していたからです。


それを想像するだけで極度の緊張感に襲われ、喉が詰まったような感覚になり、

とてもじゃないけど、言葉を発することが出来るような状態ではありません。


加えて、自分が吃音者であることは、どうしても隠しておきたい。


隠そうとすればするほど、余計に言葉が出なくなる。

しかも、発した所で、すぐどもる。


就職面接に関する本をどんなに読み漁っても、

僕にとっては、まるで良いイメージを掴むことが出来ずにいたのです。



もう一つの理由は、就職後の職場環境への不安です。



もし運よく正社員の面接に通ることが出来たとしても、

その日から「正社員」としての責任を負わなければなりません。



バイト時代は、必要最小限度のコミュニケーションで済む現場の仕事を選べましたが、

正社員になったら、現場であろうが事務であろうが、

「僕は電話を取れません」では話にならないわけです。




こんな感じで、正社員への道を自ら閉ざし、彼女の希望も受け入れず、

結局僕は一人になってしまった。



でも、それも仕方がないと思っていました。


付き合っていた時の彼女は僕にいつもこう言っていました。


「吃音なんて隠すことじゃないよ。」


「人それぞれが持っているその人の癖みたいなもんだよ」


「吃音を自分の個性だと思って付き合っていけばいいんだよ」



はじめは慰めにすぎないと思っていましたが、

毎度毎度会うたびにこのように励ましてくれる彼女の言葉の数々が、

しだいに自分の心の中にすんなり入ってくるようになっていました。



彼女と会っているときは、僕は吃音者であることを忘れていたし、

事実、ほとんど言葉に詰まらずに話せていたように思います。



また、彼女と付き合っていた頃は、バイト先で仕事仲間と話すときでも、

吃音のことを忘れるようになっていきました。


それなのに、いざ「結婚」「正社員」という重い現実に直面したとたん、

以前のような臆病な自分に逆戻りしてしまったのです。




彼女と別れてしばらくの間は、気抜けした炭酸飲料みたいに活力のない生活を送っていました。

今から振り返っても、僕の半生で最も荒んだ半年間だったと思います。



でも、なんとかそこから立ち直ることが出来たから、こんなブログを書いているわけです。

そして、そのきっかけを与えてくれたのも、やはり、元カノでした。