緊張するからどもるのか?
かといって、適度に緊張感を保ちながら話さないと吃音も酷くなるかと・・・。
こんな事を考えながら、中学生の同級生の結婚式に臨んでいました。
いや・・・、僕に友人代表のスピーチなど回ってくるはずもなく、
もちろん、万が一頼まれたところで引き受けるわけもなく・・・。
それ以前にあまり親しいとは言えなかった男友達の友人として、
結婚式に招待された事自体が不思議だったのですが、
今思うと、この日は僕にとってちょっとした運命の日でもあったのです。
新郎方の恩師やら友人やらのスピーチが何人か続き、
その中には、僕ほどじゃないけど明らかに軽い吃音症だと思える人が、
緊張しながら、つっかえつっかえ。
それでも何とか無事にスピーチをしていたのでした。
そんな様子を眺めながら、冒頭の・・・
「緊張するから吃るのか?」
「適度に緊張しているから吃音ながらも最後までスピーチできたのか?」
こんなことに考えを巡らしていたわけです。
すると、今度は新婦側の友人代表のスピーチが続いたんですが・・・
そのとき、僕は我が目を疑ったのです。
というのも、当時僕が勤めていたバイト先の内装業者。
そこで、事務員として勤務していた若い女子社員がいたのですが、
まさに、その彼女がおめかしをして、僕の目の前でスピーチしていたのです。
最初はそうとは気づいていなったのですが、
見れば見るほど間違いなく、事務員の彼女であったわけです。
スピーチの途中で、僕と彼女の目が合いました(と、記憶しています)。
僕は式の参加者名簿を探し、すかさず名前をチェックしました。
間違いなく、彼女は僕のバイト先の事務員さんでした。
こんな偶然もあるのかな?
帰り際に挨拶でもしたほうが良いのなか?
そんな事を考えながら、どんどん式は進んでいきました。
考えてみたら、僕と同じように式に呼ばれていた中学校の同級生の男友達とも、
ろくに会話をしていなかったのにもかかわらず・・・
僕は、彼女の存在が気になって仕方がなくなりました。
彼女のスピーチの内容から、彼女は新婦の高校時代の親友なんだそうです。
式が終わり、僕が席を立って会場を後にしようとしたところ、
「Mさん・・・、ですよね?」
と、彼女から声をかけられました。
僕は、「そうです」と小さく頷いたのですが、次の言葉を発することができず、
では・・・、とばかりにその場をそそくさと立ち去ってしまいました。
次の朝、いつものように出社して、その日回る現場のチェックをしていると、
背後から「昨日はお疲れ!」という声をかけられました。
振り返れば、そこには笑顔の彼女がいました。
それから二ケ月後、僕は生まれて初めて、女の人と付き合うことになりました・