鹿児島県佐多岬までの行程で、
まだ、歩ききっていない部分があった。

雪が深すぎて引き返すしかなかった、
あの遭難しかけた雁坂峠だ。

当時の記録はこちらから。


あれからずっと行こう行こうと思っていたが、
タイに滞在していたのもあり、行けないでいた。

今回日本へ一時帰国したのを機に
ほぼ2年ぶりとなるが、雁坂峠へと向うことにした。

久しぶりにテントを手に取り、寝袋を詰め、
約3日分の食料を用意した。

当時、歩き旅の間ずっと履き続けた靴を取り出した。
底がかなり減り防水機能もなくなっていたが、
まだ何とか履いていけそうだ。

取り敢えずは、公共交通機関で行けるところまでと、
秩父線で終点の三峰口駅まで行く。
そこからバスに乗りつぐ。
雁坂峠手前の川又まで直行で行くバスは少ないので、
大滝温泉まで行き、そこから川又行きのバスに乗る。
木曜日の平日であったため乗客は私ひとり。

バスは途中から、当時ひたすら歩いた国道140号線沿いを走って行く。

公衆トイレの脇を通った。
この下にある東屋にテントを張ったんだっけ。
大滝温泉の道の駅でも一泊したんだよなとか、
いろいろ懐かしかった。

大滝温泉遊湯館で乗り換え、
少し停車した後、もう二人ほど乗せて
バスは出発した。

標高530m程のところにある秩父湖は、
当時は凍りついて、
ワカサギ釣りをしていた人がいたんだよな。
三十槌の氷柱は見事に凍りついていたし。。。
そこから更に山に登ろうとしたなんて無謀すぎ?

バスは途中から、私ひとりだけになり、終点の川又に着く。

バスを下り、国道を山梨方面へ登って行く。
程なくして雁坂峠登山口に、午前9時前に着いた。
ぽちをの終わりなき旅-雁坂峠入り口

山を見上げると、もう雪の気配は全くない。

GWの連休中に峠越をした方の記事を読むと、
北側斜面には若干雪が残っていた、とあった。
流石にも大丈夫だろうと、登り始める。
雪は全く残っていなかった。

行きすがらこうしてみると、
こんな場所に雪があったらそれこそ命がけだったろうと、
我ながら当時の自分に感心した。

しかし、2年ぶりの登山である。
ゴルフはしていたが、
ほとんど平地を手ぶらで歩いていただけである。
そうとう息が上がり、休み休み登る。

漸く難所である突出峠に到着。
ここからは樺小屋まで、なだらかな道が続く。

しかし、本当に体力が落ちたもんだ。
2年前は、雪には苦労したが、
山を登ること自体はどうってことなかったのに。


12時半ころ、ようやく樺小屋に辿り着いた時には
すでに足はふらふらの状態。

非難小屋であるこの樺小屋には、もちろん誰もいない。
ぽちをの終わりなき旅-樺小屋

小屋に入ってすかさず温度計を覗く。
前回は、-5℃だったが、今回は11℃。
その差は15℃以上もあり、
よくもまあ耐え忍んだものだとつくづく思う。

しかし、今回は服装も軽装なのと、
汗をかいているので、それでもかなり寒い。

フラフラの足で、
かなり下りたところにある水場まで下りて行き、水を汲み、
昼食にする。
小屋で一眠りをするとだいぶ回復はしていたが、
もうそれ以上進む気力がなかった。
ここなら薪ストーブもあるし。

まあ、ゆっくり登ればいいかと、
今日はここに泊まることにした。

そうとなれば、薪ストーブに火を入れたい。
前回は、雪の上でろくな薪を集められず、
火おこしにも失敗したっけ。
今回は雪もなく、薪の心配はない。
早速、あたりに落ちている薪を拾いに出かけ、
暖を取ろうと試みる。

調理用のガスコンロで集めてきた薪に火をつけようとするも、
なかなか上手く燃えてくれない。

改めて、枯れてからからに乾いていた3~5mm程の小枝と
枯れている松ぼっくりを拾い集めてくる。
ぽちをの終わりなき旅-松ぼっくり

火おこし用に置いてあった新聞紙を2枚重ねで堅めにねじる。
堅めにした方がすぐには燃え尽きないだろうと考えたからだ。
その新聞紙を下に敷き、その上に直径3mm程の小枝と松ぼっくりを乗せ、
その上に太めの枝を山状に乗せた。

新聞紙に火を付ける。
最初はちょろちょろで心配だったが、
次第に火は勢いよく燃え上がり、小枝に燃え移って行った。
特に松の小枝と松ぼっくりは、火がつくと勢いがいい。
ここまで来れば、後は徐々に枝を太くして行き、
火力を強くして行けばよい。

暖も取れず、寝袋にくるまって凍えながら過ごしたあの日から、
2年越しのリベンジに成功したのだ。

だいぶ暖かくなったなと、ふと温度計を見る。
なんと20℃を指していた。

その後は、火を絶やさないようにと薪を継ぎ足すが、
思ったより燃え尽きるのが早い。
暗くなる前にと、何度も薪拾いに出かけた。
ぽちをの終わりなき旅-薪

午後8時頃、最後の薪をくべ、眠りにつく。