夜中の1時頃、何かの物音で目が覚める。

ザーッ、時折ものすごい轟音。雷だった。
窓の外でピカっと光ってから、1秒も経たず雷鳴が鳴り響き、
同時に、山小屋に激しい揺れを引き起こす。
すごく近そうだ。
小屋の薪ストーブの煙突に落ちそうで怖い。
いや、今まで雷が落ちた形跡はないので大丈夫だろうと、
自分に言い聞かせる。

明日は雨の中、歩かなければならないのか?

そうして、いつのまにか眠りに落ち、
4時頃、寒さで目が覚めた。
もう少し暖かさが残っていても良さそうだったが。
よく見ると、排煙のために開けていた窓を閉め忘れていた。

これではたまらないと、
既に冷え切っていた薪ストーブに再び火を付けようと試みる。
昨日は、新聞紙を6枚使って火を起こしたが、
まだ2枚残っていた。
外ある薪はもう雨で濡れて使えそうになかったが、
小屋の中にまだ少し残っていたので助かった。

火は難なく起きた。
慣れれば新聞紙は1枚で十分だと思った。

 小屋にあった新聞紙を無駄に使ってしまい、
 この場を借りてお詫びいたします。
 申し訳ありませんでした。

漸く暖まり、朝食を済ませ、6時前に出発。
雨はなんとか上がっていた。

ここからはもう、最後の急斜面であるだるま坂を登りきれば
後は尾根伝いのなだらかな道が続くはずだ。
昨日の調子だと一苦労しそうだったが、
思ったより大したことなく、クリア。

残るは、前回引き返したところを探すだけだ。

途中水の枯れた沢が何カ所かある。
ぽちをの終わりなき旅-枯れ沢

こういうところで苦労したんだよな。
しかし、雪の中で沢を渡るのに10~20分かかった所も
雪がなければ10秒ほどで通過してしまえる。

この辺りまでくると、所々雪が残っていた。
$ぽちをの終わりなき旅-名残雪

雪は通り道に残っているところもあり、
ゆっくりと踏み固めながら慎重に進む。
そう、これの連続だったんだよなあ。。。

もうしばらく行くと、水が流れている沢に出る。
恐らく、ここで引き返したのだろうと思う。

果たして、そこから50m行ったところに
雁坂峠小屋はあった。
8:30着。
$ぽちをの終わりなき旅-雁坂峠小屋

やはり、あと少しだったか。
しかし、そこからも少しは登りが続くし、
雪が積もった下りは大変だったかもしれないし。
それ以前にあの沢で命を落としていたかもしれない。
あそこで引き返して正解だったろう。

雁坂峠小屋は何棟かあり結構大きい。
もちろん誰もいない。

その先には道をまたいでいる有名なトイレもあった。
$ぽちをの終わりなき旅-トイレ

30分くらいゆっくりして、また登り出す。

程なくして雁坂峠に到着する。

2年前は、あんなに苦労しても辿りつけなかったのに、
なんだかあっけない気もするが、
それでも達成感はあった。
それなりに晴れているので、
眺望がよい!

そこからは山梨側の西沢渓谷方面へひたすら下るだけだ。

雁坂峠のうんちくを読んだ後山梨側へ降りる。
ぽちをの終わりなき旅-往還の歴史

途中、沢渡りを何度かしなければならない箇所があり、
靴がびしょ濡れになったりしたが、
なんとかクリア。

お昼頃無事、舗装された道に出る。
ぽちをの終わりなき旅-道路へ出る


舗装された道路をしばらく進むと、
雁坂トンネルの山梨側の出口にところにある、
道の駅みとみ に出てきた。

ゴールの山梨市駅まではまだかなりありそうなので
どこかで一泊したいところだが、
この道の駅では、まだ早過ぎるな。

小一時間下った辺りに温泉が何軒かあるので、
そこで疲れを癒した後、
近くで幕営しようと考えた。

道の駅にあった案内図をみると、
笛吹の湯というのが出ていて、
公共の案内図に出ているくらいだから良いかなと思い、
距離にして4kmほどだろうと考え、歩き始める。

途中、小腹がすいた3時頃、
美味しんぼで紹介されたという
いのぶた鍋の清水なる店があった。

入り口が開いていたので入ってみると、
夜の部は5時からと言われ
残念ながら食せず。
店を出た途端に鍵をかけられた。
まあ、仕方がないが。

結局3時間ほど歩いて、笛吹の湯に到着。

建屋の中に2つと、露天風呂が1つある、
こじんまりとしたところだった。
500円。
食事をしようかと思っていたが、
レストランはない。
露天風呂は少しぬるめだが、
その分長く浸かっていられる。

2時間程出たり入ったりしながら、ゆっくりして、
近くにあるスポーツ広場というところに行って見た。

広場に入ると、ぎりぎり屋根がかかる所でテントを張れそうな場所がある。
しかし、この広場にはナイター設備があり、
一般に貸し出しているようだ。

夜の部は19:00~22:00と書かれていた。
まだ18時だが、今日は金曜日なので、
この後利用者がいるかもしれない。
一旦テントを張ってから出ていけと言われても面倒だ。
しばらく考えた後、もう少し先に進むことにした。

さらに2時間程行ったところに、
道の駅まきおか があった。
既に7時を回っており、施設は全て閉まっている。

荷物を下ろし辺りを見回すと、
階段を50段くらい登った高台の上にある東屋を見つけた。
何でこんな高いところに作るんだよと思いながらも、
荷物を背負い登っていった。

早速、東屋の下にテントを張ると、
ちょうど目の前に、山梨市か甲府の街が見渡せる
絶好の場所だった。

ここまで歩いてきた甲斐があったと思った。

眼下に広がる夜景と
道の駅の目の前にある、ほうとう屋を見下ろしながら、
スパゲッティを茹でて食べる。
贅沢なのか、ただのバカか。。。