20代半ばを過ぎた男性諸君。
考えてもみてほしい。
僕達は大人である。
そこで僕は今回新しいマニフェストを引っ提げて再出馬に踏み切ったのだ。
前回出馬した時はひどい目にあった。
僕の支持率があまりに高騰しすぎたために他候補が法に背いた手段で僕への票をばらけさせたのだ。
まだ明るみにはなっていないが僕はそれ以外の可能性は無いと考えている。
あれ程多くの支持を集めながら負けるはずなどないのだ。
今回は権力に屈さない為にも敢えて行動は控えている。
前回本当の意味で支持してくれた人間が僕を待ち望んでいた事は言うまでもない。
そこで重要になってくるのが今回のマニフェストだ。
難しい判断だったが今回僕は嗅ぎの自由化を掲げた。
現代社会にはびこるセクシャルハラスメントというストレスへの対抗策。
それが嗅ぎの自由化だ。
前回の選挙で掲げた下ネタの自由化を更に推し進めた形だ。
女性を褒める言葉すらセクシャルハラスメントとされる時代である。
しかし僕達大人には貯まったストレスを吐き出す場所が必要なのだ。
言わずもがな僕は嗅ぎ師である。
そしてそれに共感する支持者は無数に存在しているはずである。
タッチはNG。
嗅ぎはOK。
この権利を手に入れるために僕は舞い戻ってきた。
何より僕が嗅ぎたいのである。
どんな批判の声も僕には届かない。
なぜなら選挙運動の一切を行っていないからだ。
しかし僕のカリスマ性があれば問題ないだろう。
今回は邪魔もされないはずだ。
明日の投票結果が楽しみだ。
結果は目に見えているが少し心拍数を上げて寝ようと思う。
他の候補者と同じような気分を味わいながら僕は明日を待つのだ。
翌日彼は有効投票数0という歴史的大敗を遂げる。
しかしこの選挙が変態、馬鹿と記入された無効票で溢れていた事はまた別の話。
その3日後、彼は秘書へのボディタッチで告訴された。