この言葉をご存じか?

 

「物事はそれぞれの専門家にまかせた方が良い」と言う意味である。

それで最近思う事が有る。映画が好きでよく観るのだが、特に海外作品の吹き替え版、それに用いられる声優さん、近頃はテレビでお馴染みの俳優さんが務めるケースが増えている様だ。海外映画だけでなく、アニメ映画も然りだ。「ドラえもん」映画などでも、主役のドラえもんはテレビ同様にお馴染みの声優さんが務めるが、その他重要キャラには、やはり有名な俳優さんが使われている。では声優さんとは一体何なのだろうか?

 

初期のテレビ界では、ドラマは国内製作が出来ず、ほとんどアメリカで作られたものがお茶の間に流されていた。数え上げればきりがない位だ。「名犬ラッシー」「ララミー牧場」「ライフルマン」「チビッコギャング」「奥様は魔女」等々。それらのキャラの声の吹き替えに活躍したのがこの声優さん達だ。アラン・ドロンなら「野澤那智」、最近ならばシルベスター・スタローンは「ささきいさお」と言う具合だ。「スーパーマン」と言う連続ドラマも有ったが、この声の主は「大平透」と言う方だ。今も海外映画のDVD版などは、多くの声優さんが務めている。

 

ちなみに国内で初めて作られた連続ドラマは「月光仮面」だったと思うが・・。

 

しかし彼らの専門領域に、テレビで活躍するお馴染みの俳優さん達が進出して来た。それは声優界だけではない。国内で作られる映画、ドラマも然りだ。この国には数多くの演劇劇団が存在しているのはご存じだろう。「俳優座」「文学座」「民藝」「劇団四季」「宝塚劇団」まだまだ在る。そこには多くの役者さんが活躍している。その役者さん達は初期のテレビ界において多くのドラマで活躍していた。

 

そんな彼らたちも、最近はテレビで観られなくなっている。出ている人達は、大概が芸能プロに所属するタレント(総称するとこういった方が判り易いか)さん達で占められている。むろん劇団出身の俳優さんもいる。役所広司さん、上川隆也さん、渡辺謙さん等は劇団出身だ。しかし数は限られている。殆どは芸能プロが育てたタレントさんを主役に起用するのに躍起である。吹き替え・演技どれをとっても専門家の方が優れているだろうに、今や質よりも売り上げ重視とばかり、集客を望める人たちを起用するのが主流だ。

 

この様な構造はこの国のエンタメ界をダメにしてはいないのかね? 小生、やはり「餅屋は餅屋」に任せた方が良いと思うのだがね。皆さんは如何思いますかね?