music art 作品「the story of kirin」解説その5

by Master Honda

 

トラック1「Fan Room」
https://soundcloud.com/masterhonda/fan-room

 

 

Fan はファン(扇風機のような物体)である。

 

先述の通り、物語の出発点は、パソコンのある小さな部屋、どこにでもあるようなそれである。
このパソコンの画面を抜けて、キリンが森へと進んでいく、その出発点だ。 

 

ここでは、現実と非現実、此方と彼方、それらの入り口を表現した。

 

 

 

続いて技術的、制作的な観点からも言及しておこう。

 

Fan(ファン)は、実際に作者(僕)の部屋で回るそれをサンプリング(録音)したものだ。

トラックの後ろで「サーッ」と鳴っている音がそれである。


また、「パソコンのキーボードを打つ音」「マウスをクリックする音」「(本のようなものの)ページをめくる音」も同様にサンプリングした。

 

 

 

楽曲内で響くのは、二胡(または二胡のような)の音色。

これは、東洋的な世界をイメージさせるもので、キリンに抱くイメージとは真逆なものである。

もちろん、先のパソコン的な世界観は西洋的と言ってよい。
 

西洋的音階と東洋的音階。

 

同時に、機械が西洋を、アナログ楽器が東洋をイメージさせる。

 

つまり、ここでは、東洋とも西洋ともわからない、

そんな世界観を暗示するためにさまざまな音色を用いている。

 

 

 

 

そして、キリンとわたしは、現実と非現実へと進んでゆく。

 

 

 

なお、出発点であるこのファンルームは、物語の終着点とはならない。

キリンとあなたは、ここから出発するのだけれど、ここに戻ってくる、わけではない。
 

 

これについては、最終楽曲にて言及することとする。

(つづく)