music art 作品「the story of kirin」
解説その4 by Master Honda
楽曲解説に移る前に、主体でありシンボルである「キリン」とは別の、
もうひとつの視座・視点の存在について言及しておこう。
実はこの物語を巡る旅の中には、二つの視座・視点がある。
ひとつは「キリン」、もうひとつは「わたし」である。
これは作者がよく用いる手法で、ひとつの作品の中に複数の視座視点があるというものだ。
ここでの複数視点は、
物語の主役「キリン」と「わたし」。
「自然」の中の「(非常に空想に寄った存在の)動物」としての「キリン」。
「わたし」は、キリンと視座を重ね得る存在でありながら、「人間社会」の中での「ヒト」としての「わたし」である。
現実の揺らぎを感じる「キリン」が自然の中で旅をするのと同時に、
「わたし」が人間社会の中を旅をする、そういう物語として描いている。
後述することになるが、具体的には、
「キリン」は、森を抜け、月下の川を渡り、というように旅を続け、
同じように「わたし」は、仕事をし、恋をするのである。
作品を聴く際に、聴き手である「あなた」を、ぜひ「わたし」の視点に重ねて、聴いてみてもらいたい。
それが複数視点の意味であり、作者の願うところでもある。
(つづく)
なお、当該作品は現在、sound cloudにて無料で試聴可能としてある。
Master Honda "the story of Kirin"(kirin ga hoshi o miageta yoru)
https://soundcloud.com/masterhonda/sets/master-honda-the-story-of
