【あらすじ】

調停委員会からの連絡から数日後、ヌックスは家庭調停委員会にいました。不安げに小刻みに震えながら。

何かの間違いだろうと思いつつ、入場します。多重代理受付のため、相手の姿はありません。最初に、今回の書類は遺伝子情報が一致するかどうかだけで発送されるもののため、人違いではないと断定されます。そして、オーウィンの顔が画面に表示され、知っているか確認されます。肯定するヌックス。「この件は自然受精と確認…」と話続ける調停官に、待ったをかけます。オーウィンとの情事を思い出しながら、自分は挿れられる方で無精子症だからこれは間違いだと叫びます。しかし、それらは置いておいて、オーウィンとの性行為があったことを認めたところだけ採用されます。さらに、同棲中に妊娠したので事実婚とみなされると言われます。男同士でどうやって妊娠するのかとヌックスは質問します。すると、男性体の妊娠は珍しいがないことはない、既存の常識では広大な宇宙で生きていけない、と調停官は答えます。自分は無精子症だから、子をもうけるのは無理だとヌックスは訴えます。すると、アサンガ人の自然妊娠に関する研究資料が添付されていると伝えられます。オーウィンが自分の妊娠の可能性について全く言及しなかったのかと調停官は問います。オーウィンとの会話を思い出し、性癖だと思っていたのが生態だったのかと頭を抱えるヌックス。それを見て、全く伝えていなかったわけではないと判断する調停官。

ヌックスの子供は誕生しており、この申請人はその子なのだと知らされます。親権を放棄して養育費を払うか、納得できないなら中立惑星で異議申し立てをするよう告げられます。調停内容に納得いかず反論するヌックスは、そのまま強制退場させられました。

ベッドで横になりなが、『ノイ』という申請人の成長動画を見るヌックス。笑顔が自分にそっくりだな、と思うのでした。


【感想】

51話のヌックスが力いっぱい叫んでたシーンは、この調停中のだったんですね。

待機中のヌックスの両サイドの男性達も同じような境遇の人達だったのでしょうか。調停前にああはならないようにしようと思っていた姿になってしまうヌックス照れフラグ回収ですね。

ちなみに、ヌックスの番号44番は、韓国版だと18番なんだそうです。18の発音십팔(シッパル)が、同音異義語のスラング씨발(シバル→クソ)と似ているので18=クソッタレって意味みたいです。44は4の発音のし(死)で不吉だから、ちょっとイメージが変わりますね。

遺伝子情報に基づいての召喚ってことは、親子関係はすでに明らかだから、諸事項の確認だけってことことになりますよね。だから、すぐに終わるって言ってたのかな。淡々と進めていくこの調停官さん、いいですねぇ。性事情を暴露してでも抗議したのは、認めたくないのではなくヌックスの常識では理解できなかったからなのだろうと思います。同棲中に妊娠したら事実婚って、オーウィンは知ってたんでしょうか。絶対知ってそうですね。だからヌックスがあんな態度なんでしょうね。わかってて、あの塔の部屋に囲ったなって。

男性体の妊娠についての調停官の話を聞いたヌックスが「これが…ユニバース…?」って頭を抱えてる姿、柴田亜美さんの『ドリームネットPAPA』に出てくる「ウサたん」を彷彿とさせます。

アサンガ人の自然妊娠に関する研究資料、めちゃくちゃ気になりますね〜。読者にも公開してください〜!これをわかってやってたオーウィンは、本当に生殖目的だったってことですよね。気持ちうんぬんよりももっと本能的な欲求が原動力で。ヌックスは、自分の常識で考えてるから男同士で避妊するっていう発想がなかったけれど(スキンシップ又は性欲解消としての性行為としての認識であり、生殖を目的とすること自体想定外)、オーウィンの常識で考えると生殖目的で全て行動してるから避妊するという発想は生まれないでしょう。同じことしてても捉え方が全く違うことにお互いにきづいてなかったんでしょうね。それ故の離別だったのかなぁぐすん

申請人がノイちゃんっていうのは、あえてオーウィンがそうしてるのでしょうか。それともノイちゃん本人がやってるんでしょうか。オーウィンとヌックスの子供だったら絶対賢いでしょうけど。名前が半分読めて、半分読めなかった、とはどういう意味なんでしょう。ノイちゃんがヌックスを知っているっていうのは、オーウィンがちゃんと教えているっていうことなんですね。調停中は興奮してましたが、クールダウンしたヌックスはノイちゃんの存在を否定したりはしてないですね。養育費が尋常じゃないというのを置いといても、親権放棄はしないんじゃないかなぁ。