作家名:王桃Wang Tao

出版社:HykeComic

雑誌:漫漫漫画

78巻完結

 

完全に表紙の東谷蓮が好みで購入しました。

 

【表紙】

コミックシーモアさんで私が惹かれた表紙は、白いバックに左から三崎翔太、東谷蓮、市川誠。三人の距離は均等か蓮と誠がわずかに近い。穏やかな表情の蓮と翔太が向かい合い、蓮の背後から彼の左腕に手を添えた誠が連を見つめています。蓮だけホワイトシャツにネクタイで他の二人はスーツ。

今は替わっていて、青白いバックに左から誠、蓮、翔太。座った翔太にもたれかかるように蓮がいます。蓮のシャツははだけていて、そこにこちらを見ながら右手を差し込む誠。誠のシャツの襟元も大きく開いています。翔太は素肌にジャケットとネクタイで、そのネクタイを蓮の左手がつかんでいます。蓮を抱く翔太の左手は蓮のズボンに入っていきそうです。顔が重なるくらい近い蓮と翔太ですが、誠は明らかにそれより遠い。

後者の方が内容に合ってるから変更されたのでしょうか。でも、私は絵としては最初の方が好きですラブラブラブラブ

 

【あらすじ】

上級弁護士の蓮が元カレ誠のいる法律事務所にやってくるところから話が始まります。ヨリを戻したい誠、好意を寄せる翔太。誠に当てつけるように荒れた生活をする蓮ですが、翔太にはそんな姿を見られたくないと思う。いつも肝心な時に蓮を選ばない誠、ずっと蓮を諦めない翔太。

 

【感想】

1回目、誠のことが嫌いすぎて最終話には登場さえしなかったのを爽快な気分で読みましたニヤ

理由付けしては蓮を傷つけて保身に走る、衝動的にさえ同じ。そんな誠を見るびに嫌な気分になりました。

けれど、読み返してみると誠は少しずつ変わっているのに気づきました。父親に蓮との関係を主張したのは大きな変化でした。永遠の時があるならば期待が生まれたかもしれません。しかし、人の一生は限られています。誠を見てきたからこそ、蓮は決断できたのだと思います。そう思うと、臆病者の嫌な奴だと思った誠が不器用で可哀そうに思えました。誰の言葉だったか、「今してくれない人は一生してくれない」、というような内容を思い出しました。決めるべき時に決められなかった誠、蓮にとって。そう思うと、タイミングは大事だなと思います。

誠と別れてから蓮が荒んだ生活をしていたのは、当てつけだけでなく人生に投げやりになっていたから。それだけ誠の存在が大きかったんだな、と驚きました。ひどい扱いを受けているシーンしか印象に残りませんが、それ以外を二人で過ごした時間が大きなものだったのでしょう。他人の話をきいても同じ感想になりますね。翔太と付き合いだしてから、年齢差をきにしつつ将来を見越して健康管理に目覚める切り替えの早さびっくりマーク付き合う人間で人は変わる、というのをしみじみ感じました照れ

周りの反応がどうであれ、自分で考えて行動する翔太。好感しかないですが、幸せな環境で育ったんだろうことが想像されます。

作品の中で、マイノリティについて取り上げられることがあります。特に原先生の「本当の辛さがわからないから正論を並びたてられるの」「人はね 理不尽な辛さを経験したらかえって何も言えなくなるものよ」というセリフ、すごくよくわかります。弁護士さんなので心理学的な知識もあるとは思うけれど、彼女もそんな経験があるのでしょうか。これは恋愛においてだけでなく、あらゆるマイノリティに言えることですね。

最後はさらっと、ふわっと終わりますが、自分のふるまいについても考えさせられるお話でした。