【あらすじ】

(籍は入れていないものの)夫であるジヒョンが婚約者だと言って、女性を自宅に連れてくるという修羅場からスタートします。言葉も出せずなイスの目の前で父子喧嘩が繰り広げられます。力ずくで阻止してやろうとゴルフクラブを振りかぶるジュンマンからジヒョンをかばって殴られるイス。そのままジュンマンをなだめつつジヒョンを退避させます。その姿を見送りながら自分たちの関係を振り返ります。


X年前、イスは友人と立ち寄ったチョンドム洞のバーでジヒョンに出会いました。クールなジヒョンを狙う人間はたくさんいたものの、数カ月追い続けたイスはジヒョンとの交際に至ります。イスの両親に挨拶を済ませ、自分の父であるジュンマンへの挨拶を提案するジヒョン。しかし、報道で知っているジュンマンの性格から渋るイス。しかし、強く希望するジヒョンに流され、ジュンマンのもとに向かいます。先に家に入ったジヒョンに対し、「同性愛者はいらない」と追い出すジュンマン。二人で車に戻り、そこでジュンマンの横暴ぶりと父親を「あの人」と呼ぶジヒョンに驚きます。江家の父子関係のため、イスは強制的にジュンマンのもとに転がり込むことを提案します。


【感想】

改めて読んでみると、ジュンマンの怒鳴り声からスタートしてるんですよね、この話。絵でなく。

イスを殴ったことで手が止まったジュンマン。正に身を挺してジヒョンを庇いながら、取り残されるイスの心情描写が辛いです。すごく困惑しています。

立ち去るジヒョンは女性の腰をだいていました。後にこの女性との関係を弁解していますが、気を遣うのはそこじゃないでしょ、と言ってやりたいものです。それだけ女性とは距離があると言う描写なんでしょうか。何の説明もなく内縁の夫がこんなことしたら、確かに怒りや悲しみよりもまずは状況の把握に振り回されるでしょう。

第一話は、デフォルメシーンもなくシリアスな雰囲気なので余計にこういうシーンを重く感じました。


「もともとゲイだったのか?」というイスに「性別は関係ない」というジヒョン。改めてみると、クールだと言われるのに初々しい表情です。

「幼い頃母親を交通事故で亡くし父親からは愛情を受けられずにいた」と言ったのはジヒョンなんでしょうか。それとも噂話なんでしょうか。とにかくそれを知って「これからは俺が全身全霊で守ってやりたい」と思ったイス。その思いが後のイスの行動の理由なのだなぁ、としみじみ感じました。ジュンマンの回想や発言からは、少なくとも息子に愛情のない父親には見えません。当人の感じ方だと言われると仕方ないのですが、ジヒョンがどうしてそう感じているのかが気になります。

「男と付き合ってたった数カ月で悟りでも開いたのか…?」ということは、ジュンマンのもとに転がり込んだのはまだ交際間もない頃だったんですね。

江親子のやりとりを見たあとでも、大好きなジヒョンに対して「俺は親を悲しませるようなヤツとは付き合えない」と言うイスは、良い家庭で育ったのであろうことが想像できます。ジュンマンとジヒョンの関係を取り持とうとするのは、根底にこういう考えがあるからなんでしょう。「口で説明したって無駄」、「まずは直接会って慣れてもらうしか」と言うポジティブさと行動力をみていると元気が出てきます。

ジヒョンは父親が「いつも小遣いをあげて可愛がっていた」女性を「父さんが気に入っていたから結婚しようと連れてきた」と言っていますが、ジュンマンは彼女のことを「こんな汚らわしい女」と表現しています。ジュンマンにとって商売女はあくまでそういう対象であり、それ以上ではないと言うことなのでしょう。


第一話を読み出した頃はイスの立場だったらと思う程度の感想でしたが、先まで読んで戻ってくるとびっくりするぐらい溢れてきてしまいました照れ