修理の"思考型"という話ですが、
修理に限らず、物事には"型"があります。
空手の型や、茶道の手前、コールセンターの対応マニュアルなんかもそうですが、修理にも基本となる思考の流れがあります。


ここに、壊れたラジコンがあるとします。
このラジコンがどうにも動かない。

修理の思考型は、4ステップです。

1.状況を把握する

2.落とし所を決める

3.構成要素を分解

4.消去法


1.状況を把握するとは、
文字通りではありますが、症状と最近の兆候です。
病院にかかると最初に書かされる問診票で、必ず今の症状と、いつからか、怪我であれば状況を細かく聞かれます。
私のいる工務部では、現場作業員からの依頼で動くのですが、彼らに聞いたとしても

「とにかく突然止まったんだ!」

「引継ぎがなくてわからんが、使おうと思ったら動かない」

とか言われることが多々あります。
それでも、

「普段どう使ってるの?」とか、
「この症状出てるなら、こういう兆候がなかったですか?」とか質問をして情報を引き出します。


たまに作業者から、「この症状はこの部品が悪いに違いないから、すぐ変えてくれ!」と言われても、それが全然根本的原因じゃなかったりするので、冷静に状況をヒアリングして分析することが重要で、
ヒアリング内容は、症状と状況を結ぶ仮説を元に、そのロジックを完成させるのに必要な、作業者しか知り得ない事実を聞く感じです。

意見ではなく、事実を聞きます。


2."落とし所"を決めるとは、
その修理に何が求められていて、どこまで仕上げればいいかというところです。

ここで、動画を一つご紹介します。
フランスの自動車メーカー、シトロエンのメカニックチームが、大破した車を僅か30分で修理してレースに復帰させる映像です。

何が言いたいかというと、優先させるべき事を理解して修理に当たりましょうと言うことです。
見た目はいいから、最速で使えるものにするのか、長く使うから時間とってしっかり修理するのか、お客さんが来るから動かなくても見た目だけ直して後日やるか笑
クオリティ、スピード、部品納期などの事情を加味し、スケジュールを依頼側とよく話し合うことが必要です。


3.構成要素を分解するとは、ラジコンであれば、

・走行系ライン: 電池ー配線-スイッチ-モーター -タイヤ

・操作系ライン:電池-配線-(受信機)-スイッチ-サーボモーター-ステアリング

・無線系ライン:電池-ボタン類-送信機

3つのラインに分解できます。
故障した対象物をいきなりバラすのではなく、先に、ロジックでバラし、消去法で、見るところを限定していきます。
簡単な例で、最近の機械はほぼ電気で動いてますが、一言に止まったと言っても、ウ〜!っと動こうとしてるのに動かないのか、全く反応が無いのかがわかるだけで、電気系統だけ見ればいいのか、機械系統だけ見ればいいか判断できます。
(うなってれば、電気系は正常)


4.消去法は、
最初に集めた不具合の情報が例えば、
"リモコンを操作しても反応がない"症状が、
"特に落としたりしてないのに突然"起きた場合、

分解して出した3つのラインを、怪しい順にならべ、確認が簡単で怪しいものから順に一つずつ潰していきます。
部品交換とかをいっぺんにやると、変えたどれが悪かったのかわかりませんからね。
(交換に手間がかかり、時間がない場合はいっぺんに替える時もありますが、その辺は費用対効果)

この場合私なら、
動きの多い操作系ライン>ボタン操作の激しい無線系ライン>堅牢で動きの少ない走行系ラインの順に見るでしょうか


まずは、電池の有無、スイッチ入れ忘れなど

次に、怪しさは低いけど、確認が容易なもの
(モーター の動作確認、断線など)

最後に、新品の部品に交換してみないとわからないものや、分解に手間がかかるもの。

知恵出せ、汗出せ、お金は最後 です。



今回は3つの修理の思考型を解説しました。

1.状況把握
2.落とし所
3.要素分解
4.消去法


基本的な診断の流れはこの様になりますが、応用し使いこなせる様になるには実践の数次第です。
更に修理方法の選定に関しては、作業者が持っている道具とスキルと情報量でかなり差が出るので(メンタルもあるかな)、道具は買うしかないですが、手持ちの情報を増やすような解説を随時発信していこうと思います。

では、また次回!