思考型シリーズのラストは、
改善、改造の思考型です。


まず、何かを改造するときとは、

・そのものの足りないものを補う
・より良い機能を追加する
・機能の最適化
・部品を流用し、別物に作り変える

などですが、
改造という行動に至る理由には必ず、

「今より良くしたい」

「この苦しみを取り除きたい」

という、改善したいという気持ちがとなります。
この種がないと、その問題に対し、考えることも行動することもせず、その問題は永遠に改善される事がないばかりか、問題であるという認識すらされない恐れもあり、そうなると改善や成長はなくなってしまいます。

ここでもっとも大切なのは、現状の不満に気付くこと。



「認知しなきゃ始まらない」

普段私達は、生活や、仕事、趣味などにおいて、様々な目的を達成する作業を日々こなしていますが、その中で
「この作業面倒臭いなぁ」とか、
「現状、不満だなぁ」とか、
「これさえなくなってくれたら、最高なのに」
と思うことはないでしょうか?

普通は文句や愚痴の多い人は嫌われますが、
改善の視点から見ると、こういった現状に満足しない、不満や愚痴を持つ人は、むしろ
改善の種を持つ人と言えます。

逆に、職場のメンバーがどんなに面倒な仕事でも不平や不満を一切漏らさず、粛々と決まったこなす人ばかりだったらどうでしょうか。

私が今の職場に配属されたばかりの頃、溶接機とプラズマ溶断機の電源が1つしかなく、使うたび電源を付け替えて使っていて、付け替えの頻度も多く面倒でしょうがなかったので、すぐに予備電源からコンセントを増設しました。

これ以外にも似た事例は沢山あり、ちょっと改善すれば劇的に作業が良くなったり、無駄が減ったりするのに、
その種に気づかないと、しなくていい作業や、無駄な作業に貴重な時間やお金を取られ、
会社や人生に大きなロスを生んでしまいます。

不満や愚痴を言うだけで何もしないのは最低ですが、
「これ、どうにかできんのか?」
と言う視点を持つことはまず何より重要と言えます。




「改善とは是正と、システム化」

是正とは、悪い点を改め、正しくするという意味ですが、ここでは、
・同じ失敗を繰り返さない様にすること
・不満を解消する事
の2点です。

前者の改善は"注意喚起"や、"チェックリストをつくる"ことでは弱い(人間の意志は本当に弱い)ため、可能な限り"失敗しようのない状態"を作ることです。

・治具を逆にセットしないよう、逆に取り付けた時にはピンが当たって入らないよう、治具を加工する

・小さいキャスターの移動式の機械をグレーチング(側溝に乗せる網のフタ)の上を渡るとき、キャスターがはまって転倒したので、通る分の一部を鉄板のフタにする

など

後者は便利さの改善で、改善コストに対する費用対効果を考えます。

・夜間のトラクター作業で、純正のライトでは見たいところが見えず作業が困難のため、ライトを購入し増設する

・登山用のレインコートをゴアテックスのものに変える

など


システム化とは、


何か→[?]→欲しい何か


この、真ん中の[?]を作ることです。


・それ通りにやれば誰でも作れる[料理のレシピ]

・お金を入れたらジュースが出てくる[自販機]

・経費100万円で1億円の利益を出す[会社]
 

色んなパターンがありますが全て、

何か→[?]→欲しい何か

という形です。
改善とは、この[?]を最適化する作業だと言えます。



「どの数字を追うのかにできる限り1〜2個に絞る」

[?]の良し悪しを判断するのは、必ず客観的な数字を用い、何を見るかはインプットとアウトプットで1〜2個ずつ、できる限り絞ります。

色んな指標を総合的に判断した方が良さそうな気がするのですが、見る数字が多いと返ってどれが成果に直結しているのか分からなくなったり、
挫折の原因になります。

成果に直結している数字が何なのかは、成果の性質によって様々で一概に言えませんが、[?]のなかのシステムを分解、分析する事で見えてきます。
この具体的な手法は、別記事で解説していきます。

以上が改善の考え方でしたが、改善は思考の幅が広い上に終わりがありません。
そこで最後に、もっと具体的な改善に改造を伴う場合の、具体的なアプローチ方法を紹介します。



「改造の心得」
(具体的なアプローチ方法)

1.頭をグニャグニャに柔らかく

本質を捉える。"要はどうなればいいか"を定義し、その中間を埋める何かは何を持ってきても構わない。使えるものは何でも使う。
固定観念を捨て、ありとあらゆる手段を考える。


2.出来るだけシンプルに

出来るだけ目的へ直線距離で到達する。
余計なギミックは設けず、
部品点数も最小に、最大の成果を出す方法を考える。


3.出来るだけ手数を少なく

元あるボルト穴を使って、元の機械は無加工を保ったり、安く買えるものは無理に作らずに汎用の既製品を利用、一部加工して使うなど、加工の手間を最小限に。


4.クールに

用途を満たしても、仕上がりが雑だとその後使用する際の扱いも雑になってしまいがちです。
シンプルに、一見純正品と見まごう様な仕上がりで作れば、製作に多少時間はかかるものの、大事に使うため返って長持ちします。


5.情報を蓄積、応用する

センスは情報量で作られます。
その時作るものは基本的に、その時自分ができる最良のものを目指すので、あらゆる情報を総動員します。
過去の経験した事はもちろん、日常の全く関係のない出来事やものが、「あのときのあれ、これに使えるかも!」に繋がるときがあるのです!
日頃からアンテナを張っておきましょう。


以上の5点は、そっくり新規でものを作るときにも使えます。
「作ろうとしてるモノのあの機構は、どういう構造にするのが適切だろう?」というときに使えます。


これまでの3回は、修理、ものつくり、改善・改造するための考え方の「型」をお伝えしましたが、実際にモノだけでなく、人生で直面する様々な"創造"の場面でお役立て頂ければ幸いです。