ODSによる役員研修に講師として同席することになったのは、ちょうど21世紀になった頃でした。
その会社は伊豆に立派な保養施設があり、社長も含めて取締役が全員一泊二日で研修です。
ODSのAさん(アルファベットばかりでややこしい)をメイン講師として戦略的な講話を行い、私は人事評価の研修を行うという分担でした。
実はこの研修の仕掛け人は、クライアントの人事部長。
「わが社の人事制度を見直したいので、この研修をきっかけにできれば有難い」
事前の打ち合わせで人事部長からはそんな風に聞かされていました。
そこで私のモチベーションに火がつきます。
「それなら、実際の評価の仕組みを基に、人物像の評価をしてもらって、仕組みの問題点に気づいもらおう」と考えました。
タイプの異なる人物モデルを二人分用意し、その情報を基に役員の皆さんに評価をしてもらいました。
その結果、参加した役員が驚くほど見事に評価がばらつきました。
もちろん、評価にばらつきが起きるのは、避けがたいところではあります。
しかし、評価表自体が抽象的な文言で構成されることで、ばらつきが大きくなることを指摘しました。
その結果、その場で人事制度の見直しをする事で役員がまとまってしまいました。
そして翌日、研修二日目の午後を残しながら、皆さん「早く帰ろう」ということになり、研修は1.5日で終了しました。
役員であっても目的を終えたらすぐに次の行動に移るその姿勢は衝撃的でした。
そのクライアントは、劇場も擁し文化発信拠点としての機能も持つデベロッパーでしたが、こういう役員が時流を掴む社風を形造っているのだと認識したものです。