ROMが劣化して読みこめず、結局そのまま、だましだまし使っています。
前回まで、私は名前の由来を①英語、②ケルト語、③アングロサクソン語、④その他、で分類
しようと思っていたのですが、②のケルト語には、ウェールズ語、アイルランド語、スコットランド語
などが含まれていて、これを一つとして扱うのは無理があると判断しました。
なので、英語、ウェールズ語、アングロサクソン語、ゲール語(アイルランド語、スコットランド語)、
その他、のくくりに変更します。
そして今まで、気分によってウェルシュと言ったり、アイリッシュと言ったり統一性がありません
でしたが、今回からは「~語」というので統一します。あいすみません。
今回はゲール語由来の名字ですが、ゲール語は主にアイルランド語とスコットランド語に
分かれますが、この二つを同時に扱うと情報量が膨大なので、別建てにさせていただきます。
なので、今回はゲール語(アイルランド語)由来について。
ゲール語って言っても何?と思う方もいらっしゃると思うので、まとめてみました。
![クリス先生の英語の授業](https://stat.ameba.jp/user_images/20120323/12/mrchris/6f/4e/p/o0428021611869056448.png?caw=800)
ゲール語はケルト語派の中の言葉で、ウェールズ語が属するブリタニク語とは兄弟言語です。
この関係性は、ちょうどゲルマン語グループの英語とドイツ語と似てますね。
アイルランド語もウェールズ語と同じく、過去に英国に同化政策がとられ、現在では懸命に言葉の
保護がされていますが、ウェールズと違い、そこに住んでる人々が保護にあんまり乗り気では
ありません…。なので実際の話者はどんどん少なくなってきています。
アイルランド語を聞く機会はどんどん減ってますが、アイルランド語由来の名前は移民や改名で
逆に世界中に広がっています。
![クリス先生の英語の授業](https://stat.ameba.jp/user_images/20120323/12/mrchris/91/68/p/o0240011911869085433.png?caw=800)
①O'は「孫」という意味です。英語ではO'(オー、アポストロフィ)に変化しましたが、
本来はÓ(オー、アキュート・アクセント)で間に一つ間をとります。
O'brienさんは本来は、Ó Briain さんのように書いていました。
②スコティッシュネームとして有名ですが、アイルランド語でも使います。元はMacがMcになり、
「息子」という意味です。①と同じように本来は一文字、間をあけます。
③もともとはノルマン語(フランス語)のfis(息子)がアイルランド語に入り転化。
ヴェロニカ・マーズ2ではよくフィッツパトリックという名前が出てきました。
●アイルランド語の名前のうんちく●(ちょっと難しいですが…)
以前、SVOの薦めで、英語はSVO、日本語はSOVと書きましたが、ケルト語グループは、VSOという
構造を持ちます。そして、言葉は性と格を持ち、フランス語のように名詞を後ろから修飾します。
日本語や英語は前から修飾します([例]日本人の○○、japanese ○○)が、フランス語やケルト語は
la femme japonaise のように後ろから前にかかるのです。
Mac は「son of」ではなく「son」で、後ろに続く名前が所有格に変化します。
son of Arthur ではなく、son Arthur's という書き方をします。
以上を踏まえて、名前の接頭辞をお勉強
![$クリス先生の英語の授業](https://stat.ameba.jp/user_images/20120323/17/mrchris/79/a2/p/o0553044811869545876.png?caw=800)
Seán (ショーン)さんという人がいます。
Seán さんには、山口くん、という息子がいます。
彼は「Yamaguti Mac Sheáin」というフルネームになります。
(Sheáin は、Seán の所有格になります。)
またショーンさんには、百恵ちゃんという娘さんもいました。
彼女は「Momoe Nic Sheáin」と言います。
(Nic は Iníon Mhic の短縮形で、Iníon は「娘」、Mhic は Mic の所有格で、
「~の息子の娘」という意味になります。)
山口さんは美恵子さんと言う女性と結婚しました。
彼女は「Mieko Bean Mhic Sheáin」という名前に変わりました。
(Bean は「妻」、Mhic は Mic の所有格。「ショーンさんの息子の嫁」という意味になります。
Bean はしばしば略され、単に Mieko Mhic Sheáin とも言われます。)
山口さんと美恵子さんに子供が産まれました。名前をツトム君と言います。
彼は「Tutom Ó Sheáin」と呼ばれます。
(Ó は「孫」という意味。他に Ua も同じ意味で使われる。)
ツトム君に妹ができました。「もえ」ちゃんです。
彼女は「Moe Ní Sheáin」と呼ばれます。
(Ní は Iníon Uí の短縮形で、Iníon は「娘」、Uí は Ua の所有格で、
「~の孫の娘」という意味になります。)
ツトム君はやがて立派な青年に成長し、智子さんという女性と結婚しました。
智子さんは「Tomoko Bean Uí Sheáin」という名前になりました。
(Bean は「妻」、Uí は Ua の所有格。「ショーンさんの孫の嫁」という意味になります。
Bean はしばしば略され、単に Tomoko Ui Sheáin とも言われます。)
※Macの後が母音で始まる場合、しばしば Mac は Mag に変わり、女性の場合は Nig になります。
こんな感じでややこしい名前が増えるのでした。
疲れましたので、ランキングはまた今度。
終わり。