運行管理者の仕事について、以前記事を書きましたが、基本的にはバスの運行に必要なことは全て行うと考えてよいと思います。
主な仕事は、運転士の点呼、シフト作成管理、車両管理、事故の対応、乗務員の教育、役所対応、クレーム対応、関係部署の調整など実際の乗務を網羅的にサポートすることです。
バス運転士が、安全運転を第一に考えて乗務をできるのも、運行管理者が後方支援をしっかりしてくれているからこそ可能なのです。
もしも、運行管理者がしっかりとした仕事が出来ていない場合は、その皺寄せは、現場の運転士に来ることは言うまでもありません。
乗客が、会社にクレームを入れても埒(らち)が明かないと感じて、毎日のように運転士に直接クレームを入れ出したら、とてもじゃないけど正常な運行ができないと思います。
よく路線バス運転士の仕事は、馴れれば「簡単で気楽!」という方もいますが、乗務員が「簡単で気楽」に感じられるのも運行管理者が優秀であることの証明かもしれません。
さて、前回の記事で「バスの運行について、一人前になるためには20年必要」という記事を書きました。
確かに路線バスの運転士の仕事ならば、通常の運行に必要なスキルを身に付けるためには、約3年の運転経験が平均値と感じます。
しかし、バス運行は運転士だけで成り立つわけではないことは、バス会社に入社すれば誰でも解ると思います。
本当の意味でバス運行に対して一人前になるためには、バス運転士を最低3年~7年ほど経験した後に、運行管理者も経験して全体を知る必要があります。
これらのことを一通り覚えるのが約10年、それの習熟には倍の期間が必要と業界では言われています。
要するに、バス運行の全体を仕切る「助役レベル」になるには、20年の経験が必要になります。
ここ30年ほどの傾向ですが、職場の人材の定着率の低下が、各業界で深刻な問題となっています。
原因については賃金、労働環境の変化、若者の労働に対する考え方の変化など諸説ありますが、本日は話の内容から原因の詳細な解説は割愛して、定着率の低下という事実に着目したいと思います。
この事は、バス業界を含めた各産業の習熟した人材の不足を及ぼし、既存の業務の円滑な遂行を阻害します。
現在、各産業で人材不足が叫ばれていますが、その本音は「習熟した人材の不足」であることが往々にして言えます。
バス業界は、つい20年前ぐらいまでは、誰でも入社できる業界でなく、入社選考レベルも5人に1人しか採用されない仕事でした。
その中から研修を経て、独車乗務が出来るのは半分で、実質10人に1人しかバス人生をスタートできない過去がありました。
バス人生をスタートできた人には、ほぼ公務員と同じ給与と福利厚生が支給されて、安心して勤務出来る環境が整備されていました。
そのため、実際にバス人生をスタートさせた人の定着率は、トラックなどの他の運転業務に比べれば、高い傾向にありました。
過去のバス運行の安定性は、この様な背景に支えられてきた事実が存在します。
現在、間引きダイヤも含めて運行状況が、バス業界では若干のシフトのむらや乱れが生じて、しばしば調整が必要な状況が発生します。
そのような運行の状況が今後悪化しないためにも、バス運転士の定着率向上と運行管理者資格取得、運行管理者業務の経験支援などのキャリアパスの道筋を10年単位で明確にする必要があると感じます。
先ずは、職場内の調整から運転士7年ほどの経験と運行管理者3年の経験で、10年選手を輩出することを目標に、資格取得支援制度や10年勤務の報償金などのインセンティブを与える体制構築がよいのではと感じます。
※ 今回は、AI(X-Grok)師匠が、表題を考えてくれました!
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