夏休みもあとわずか。8月最後の土曜日に、息子と一緒にミューザ川崎に行ってきた。アマチュアオケ鑑賞である。

 

何度もここに書いているが、最近のアマオケは特に上手い。若手中心の所ほど「音楽性」がある。やはり、芸事は技術がものを言う。

 

今日のオケは、音大出身者のアマオケだそうだ。どおりで上手いわけで、こうして他の仕事に就きながら、或いは、プロを目指しながら、休日を好きな音楽に浸っている若者がいる、ということだろう。

 

 

レスピーギの《ローマ三部作》をやった。演奏はお見事なもの。前半、ミューザ川崎ではお馴染みの大木麻理さんが、オルガン協奏曲で出演された。なんと、後半のローマにも加わっていていらっしゃって、嬉しい驚きも。

 

とにかく外が暑くて、行き帰りが大変だったが、中に入ってしまえば天国。音楽も天国だった。

 

 

客席には、無料でエアコンだけを浴びに来た人もいたはず。隣に座った親子は、おそらく夏休みの自由研究かなんかのために来たんだと思う。近隣にお住いの方だと思う。有料だったら来なかったんじゃないか。

 

アマオケに提案である。500円でもいいから入場料を取ってほしい。そしたら、ノイズを気にしないで鑑賞できる。ホール側も、「有料公演」と「無料公演」とで、利用料を単純に差別しないでほしい。とにかく「無料公演」と「有料公演」とで利用料金の差が大きすぎる。だから、アマオケは無料でやりたがる、という根底の問題がある。ぜひ、「アマオケで500円までは無料公演として認める」などの措置をとってほしい。

 

とにかく、うるさい母子だった。演奏中、母親が始終、息子(6歳ぐらい)に囁いている。「あれがヴァイオリンだよ」「あのオルガンから音が出ているんだよ」…などと。

 

挙句の果てには、6歳クン、静寂な音楽の中、首から下げた水筒を手にとった。喉が渇いたんだろう。イヤな予感がしたんだが、見事に的中。水筒のフタを開けた途端、「ポン!」という大きな音がホールに響き渡った。

 

本人も親もぜんぜんヘーキ。「タダ」の演奏会だもの。

 

小さいころから音楽を聞かせるのは賛成である。そして、「O歳からのコンサート」のように、雑音を気にしないで寛大に聴いてね! っていうコンサートも大賛成である。

 

でも、フツーの演奏会には自分をコントロールできる年齢になるまでは、親の都合で連れてきてほしくない。6歳でもじっと聴いている子もいるだろう。うちの子は二人とも、幼稚園生でもじっと聴いていた。親としてそれが予期できたから、そして「本人が望んだから」連れて行ったのだ。

 

僕だって初めて音楽堂でオケを聞いたのは小学5年の時だ。11歳である。

 

この親子の話にはオチがある。

 

(幸いなことに)《ローマの噴水》が終わって、みんなが拍手している時に、親子はゆっくり立ち上がって扉の外に出て行った。「ローマ三部作」を全部演奏し終わったと思ってしまったようだ。

 

《祭》も《松》も、大股開きでゆったりと聴けた。