僕の場合、陰陽説みたいに「鑑賞」と「演奏」で人生のバランスを取っている。しかも「鑑賞」はクラシック(主にオーケストラ)で、「演奏」はロックときているから、なかなか一筋縄ではいかない。

 

そして、「鑑賞」に凝ると、自ずとオーディオにも注意が行く。一方、「演奏」にハマっている時は、鑑賞時の音質があまり気にならない。だから、オーディオに関する購買欲もなくなる。

 

春になって、新たなシーズンが始まり、僕の心は少し「演奏」にシフトしている。よって、気になるのは楽器、ということになる。

 

某フリマサイトで、使い込まれたスネアドラムを見つけた。ハードロック志向だった近年は、深いドラムばかり目に入っていて、所有するスネアも、すべて深胴、つまり6.5インチばかりだったが、ここにきて俄かに、浅いスネアを使いたくなった。今年の秋あたりに活躍できるかもしれない。

 

ということで、購入した中古スネアのメンテを行う。

 

 

購入したのは、Made in Japan時代のPearl MR(Classic Maple)のスネアドラム。木目の見えるラッカー仕様で、おそらく色はリキッドアンバー・ラッカー(No.114)。1997年のカタログによると、型番はMR-5114で、定価は44,000円だった。今なら、およそ2倍の値段だろう。30年近く前のモデルだ。

 

パーツを全部外して、まずはシェル磨き。

 

 

 

 

ラッカー面は慎重にクリーニングする。仕上げはYAMAHAのピアノユニコンを使う。名前の通り、本来はピアノの艶出し剤だ。

 

 

僕は2004年ごろまで、MRシリーズのドラムセットを有していたので、このエンブレムが非常に懐かしいし、かっこいいなーと思う。

 

通販のサウンドハウスで、ヘッド両面とスナッピーを購入してあったが、ボルトのワッシャーを買いそびれたことに今朝、気づき、地下鉄に乗って「街」に出かけた。

 

いまの時代、休日だと楽器屋が開くのは、正午だということを知った。新型コロナ時代の名残りなんだと思う。ネット通販も当たり前になっているから、実店舗の営業はなかなか難しいところだ。

 

知らなかったので、店の前に1時間半前に着いてしまった。時間つぶしに、近くのレコードユニオンに行く。そしたら、そこも11時開店だった。仕方なく闇雲にぶらぶら歩く。

 

散歩にも疲れて、結局、楽器屋のドアの前で開店を待つことにした。お蔭で、読みかけの『成瀬は天下を取りにいく』を読了することができた。

 

 

成瀬が滋賀県立膳所高校に入学してからの物語が特に面白い。

 

帰宅後、やるべきことが多すぎて、結局、スネアのメンテは先に進まなかった。金属パーツを磨き、ヘッドを装着するまでの作業は、次の休日になりそうだ。

 

慌ててワッシャーを買いに行った意味がなかった。