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敢えてボカす必要もないのだが、(面白いので)匿名にて記事を進めていく。僕は、ほんとうは英国(スコットランド)のTから始まる、同軸ユニットで有名なブランドのスピーカーが欲しかったのであるが、高くて買えないし、置く場所もないので、代替の何かで我慢することにした。

 

そこで、10月に国産の3ウェイ・フロアスタンディング型(トールボーイ)を中古で購入した。大阪の大手家電メーカーが作ったEという機種である。2004年ごろまで生産されていて、新品定価は27万円だった。

 

先月、ひょんなことから、英国(スコットランド)の別のメーカーのNというスピーカーを中古で買った。2007年ごろまで生産されていたモデルで、新品定価は28万円だった。舶来ものとしてはエントリーモデルだが、私にとってみたら、ちょっと頑張って支払う必要のある対象だった。20年近くたっても中古価格が急落しないのが、舶来品の特長だ。(後段への伏線)

 

しかし、狭い自室で、2組のスピーカーを置いておくスペースがないのは、如何ともしがたい。

 

そこで、Nを購入するとき、ショップの店長に「Eを下取りできないか?」と訊いたら、やんわりと断られた。「Eじゃ売りものにならないよ…」という声が、その表情から読み取れた。いや、ダダ漏れだった。

 

仕方がない。オークションで出品するしかなかろう。

 

出品時のスケベ心として「10分の1の27,000円ぐらいで売れたら御の字かな…」という目算があったのだが、オークションが終了してみれば、なんとCD1枚分の値段にしかならなかった。落札者様、本当におめでとうございます。

 

昨日、無事、Eが落札者様のお手元に渡ってホッとしている。とても喜んでいただけたし、「出費なし」で自室のスペースも確保できたので、気分が良い。

 

しかし…。

 

なんだか、えも言われぬ「もやっと感」だけが残っているのだ。新品27万円が、中古品になって新譜CD1枚分って…。

 

国産オーディオの、これが「評価」というものなのだろうと悟った。けっして悪いスピーカーじゃなかったのに、要は需要がないのである。

 

個人的な恨み節ではないのである。そうではなく、「もはや国産オーディオの出る幕はないのではないか」という残念な思いを記したいだけなのだ。

 

クルマ業界でも、最近、日産とホンダの話が話題になっているが、オーディオ業界も、国産はもはやアキュフェーズだけが元気であればそれでいいような気がしてきた。

 

おっと、感情的にネガティブなループに陥りそうなので、愉しいことを考えよう! 今日はEテレでシャルル・デュトワ登場! 10月に行ったコンサートが再び観られる!

 

風呂に入って、いろんなものを洗い流そう。