ホルスト:

組曲《惑星》作品32

 

ヘルベルト・フォン・カラヤン 指揮

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

RIAS室内合唱団

(1981,ドイツ・グラモフォン)

 

 

人生で初めてカラヤン&ベルリン・フィルの音楽に触れたのは、おそらく高校生の時で、ソースはほとんどがNHK-FM放送(JOAK-FM)だった。

 

中学1年の時に、親戚からいただいたお年玉を合わせて、5素子の八木アンテナを買い、自分で屋根に上って取り付けた。その時はまだNationalのラジカセの背面にアンテナ線をつないで聴いていたが、高2の時にFM東京のモニターに合格して、その原稿料で稼いだ小遣いで、TechnicsのFM/AMチューナーを買い、それ以来、非常に高品質なFM放送を楽しめるようになっていた。

 

この、カラヤンの新しい方の《惑星》は、当時けっこうFMで掛かったと思う。たしかエアチェックした記憶がある。

 

後年、CDを買って所有していたが、本日、ブックオフでレコードを発見して、即購入してしまった。カラヤンのデジタル録音のレコードは、見つけたらなぜかすぐ買てしまう。当時の「とても買いたかった」という記憶が、無意識にそうさせてしまうところがあるんだろう。

 

でも、カラヤンの古い方の《惑星》(デッカ)は、高校2年の時にレコードで買って持っている。旧譜は2,000円という安さが魅力だった。消費税もない時代で、新譜との価格差はちょうど800円。この差が、高校生にとっては実に悩ましい壁なのであった。

 

というわけで、欲しかったレコードを、いま存分に(そして安価に)聴けるのは、ほんとうに幸せだ。

 

CDで聴くよりも、カラヤン&ベルリン・フィルのハードさが減衰して、聞きやすくなる。というか、これが本来の狙い通りの音なのだと思う。

 

指揮者の位置で聴いているかのような、グラモフォンにおけるカラヤン&ベルリン・フィルの独特の録音方式も、レコードではとても自然に感じる。