5千円台のデジタルアンプの実力

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面白いアンプを入手した。5,760円のデジタルアンプである。深夜、寝ぼけてamazonでポチってしまったようだ。今夜、帰宅したら、玄関前に置き配されていた。

 

オーディオ趣味というのは、やはり恐ろしい。

 

前回の「A〜C」の中古プリメインアンプに加えて、「D」の新品アンプを聞き比べることができる。

前回の復習。

A:
英国メーカー(英国製)
定価 75,000円
発売 2010年ごろ

B:
国内メーカー(中国製)
定価 35,000円
発売 2008年ごろ

C:
国内メーカー(日本製)
定価 128,000円
発売 1986年ごろ

これに「D」が加わる。

 

D:

国内メーカー(中国製)

価格 5,760円

発売 2024年(現行品)

 

 

Dはデジタルアンプである。アマゾンでの評判は良い。とても良い。良すぎるので、かえって疑わしい。

 

そこで、試聴。

 

一聴してすっきりとして透明感があり、ハイファイ調である。これは凄い。この値段でこの音! と感動して、さまざまな音楽のサワリだけを、とっかえひっかえ聴き続ける。

 

10分ぐらい聞いた。するとどうだろう。耳が疲れてきた。なんだか違和感がある。音楽を聴くことが愉しくない。どうしてだろうか。

 

分析的な耳にスイッチして聴き始める。

 

上の方のパーカッションの金物の響きが少ない。聞えてはいるが、響かない。これで耳がストレスを抱えているのだ。それだけではない。下の方もまた、響かなくなった。身体で感じるべき低い周波数の音域を感じづらくなっている。なんだか面白くない。

 

その後、ACアダプターを変えたりしても、この違和感は収まらなかった。

 

こうなると、もうそのボディを見るのもイヤになる。出したばかりの当製品を、梱包されていた元箱に納めて、足元にゴロンと転がした。

 

そのうち、また聞きたくなるだろう。それまで、さようなら。

 

Ⅾのアンプの音は、敢えて言えば、Bのアンプの音と同様に実態感が乏しかった。それは、再生レンジの問題だろう。喩えるなら、ふわふわした音だ。昔、YAMAHAのエントリークラスのアンプを買った時も、同じ体験をした。

 

きっと、価格帯の差異により、ある程度の「格」が決まるのだろう。だとすると、僕はもうこのクラスの音では満足しない耳になってしまった。良いことなのか、悪いことなのか、分からなくなってきた。