夏休みに近所の本屋の危機について書いた。↓

 

 

そのお店が、とうとう店を閉じることになった。悲しい。寂しい。

 

しかし、そう思うのは客の勝手で、だったら普段からもっと買ってくれたらよかったのに! というお店側からの苦言が聞こえてきそうだ。

 

まさにその通り。本屋を潰したのは、私たちでもあるのだ。

 

本屋の閉店とはまた違う次元で、紙面の活字をもっと読まなくては行けないな、と最近思っている。

 

10代の子どもたちを見よ。

 

読書どころか、学習の形まで紙の本じゃない物を中心とした学び方に変わっている。大学入試が、いまだに「紙」の解答用紙に「鉛筆」で解答する形式であるにも関わらず…。

 

あんなんで頭に入るのかね。もう、何が何だかわからぬ。

 

店舗を持つ本屋の撤退を嘆いていながら、しっかりと私は、Amazonのプライム会員に入っている。矛盾のようだが、そう簡単に辞められない便利さが、この特典には存在する。

 

一時期、『ステレオサウンド』をその「読み放題」オプションで読んでいたことがあったが、自分には馴染まなくて、止めてしまった。

 

 

やっぱ紙媒体だな、と思って、書店で手に取ったら、「ステレオサウンド」は、分厚くて重い。記憶の中の重さと異なるのは、加齢のせいだろう。

 

腕が疲れる。B5版というのも老眼には不親切だ。

 

内容は、「オーディオ的」な話題もあるが、どのコーナーもおしなべて「思想」的である。ハイエンド新製品の「思想」に、メーカーの社長の「思想」。

 

大好きなクラシックの演奏のコーナーも「思想」的で疲れる。作曲家の「思想」に、指揮者の「思想」、古き良き時代の名門オーケストラの「思想」。

 

楽器を演奏しない人(ライター)というのは、音楽から「思想」を感じ取る能力に長けているようだ。未熟者の僕には「妄想」としか思えないのだが。

 

上掲の本屋さんを潰さないために、19日には『ステレオ』を購入した。この雑誌もB5版で、カラーじゃないページも多い。そして、クラフト的な話題や、一見、流行りに乗ったかのように見えるトンチンカンな特集も多く、雑多なイメージで勝負している。月刊誌だからだよね。

 

昔の「音の館」のテイストを引きずっている部分もあると思う。あれ、最高。

 

 

『analog』は、以前は買っていたけど、アナログ機器限定では内容も限られていて、毎回ネタ探しに苦戦していそう。バカ高いプレーヤーの新製品とか、管球アンプの話題も多い印象だ。ちょっと、毎号買いたいとは思わない。

 

 

最後は『オーディオアクセサリー』。結論から言うと、僕にはこの雑誌が一番しっくりくるみたい。先週発売された194号の特集は「暑い夏は自宅でオーディオ三昧〜省エネと高音質〜」で、とても読み応えがあった。

 

省エネには、省電力だけじゃなく、「省スペース」と「省物量」の概念も含まれていた。なるほど、非常に身近なテーマである。実に面白かった。

 

そしてサンプラーCDが素晴らしい。ALTUSレーベルのサンプルが付属していた。それでいて、特別定価の時の『ステレオ』誌と値段がそれほど違わないのだから嬉しい。

 

後ろの方にジャズ・クラシックのディスク評の記事があるが、音楽の「思想」に奔らず、ちゃんと「サウンド」に主眼を置いて評しているのが素晴らしい。そういうポリシーで原稿を依頼しているのであろう。立派な社風である。

 

サイズはA4でグラフィックは大きいが、文字が小さく情報量が多い。老眼の私にも(老眼鏡をかければ)不自由はない。情報量は、多いに越したことはないのだ。そして、オールカラーページ。車の雑誌だと「カーグラフィック」(CG)誌に喩えられるのではないかと思う。

 

ということで、バックナンバーも何冊か入手した。実に読み応えがある。サンプルCDも良かった。

 

書店で定期購読を決めた。4ヶ月にいっぺんの愉しみが、一つ増えた。