チャイコフスキー:
ピアノ協奏曲第1番変ロ短調作品23
スヴィャトスラフ・リフテル(ピアノ)
ヘルベルト・フォン・カラヤン 指揮
ウィーン交響楽団
(1962,グラモフォン)
リヒテルのレコードは初めて。リヒテルはウクライナ出身の巨匠である。
入手したのは初期の国内盤のようであるが、当時、リヒテルは、「リフテル」と表記されていたことがわかる。なるほど、知らないことはまだまだ多い。
聞き慣れたピアノ協奏曲だというのに、「あれ? こんな音符あったっけか?」と、とても不安になるぐらい、ピアノ独奏の新しい音が聞こえる。これはどういうことだろう。
特に緩やかな第2楽章は、なおさらそうで、まさに「新しくて」「古い」音源に出会った気分だ。終楽章でも、後ろのオーケストラの木管の動きなどが細部まで聞こえてくる。
だから楽しい。
ホールで聴いているようなリアルとは違うが、いま、そこにある音符を、余さず耳に届けてくれるレコードだと思う。昔のスタジオ録音は、みなこうしたコンセプトで録られているのかもしれない。
埋め合わせの《スラブ行進曲》は、結構聞き慣れた音源。昔のカラヤンのチャイコフスキーの交響曲のCDに、埋め合わせとしてよく収められていた音源だ(ベルリン・フィル)。
レコードで改めて聞くと、《スラブ行進曲》もとてもいいなあ。最高じゃん。CDで聴くより60倍、感動する。