NHK-FM「音楽の泉」

ハイドンの交響曲第103番「太鼓連打」
初回放送日:2024年6月2日


ハイドン:

交響曲第103番変ホ長調《太鼓連打》
パーヴォ・ヤルヴィ 指揮

ドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団

(2019,SONY)

 

この番組、冒頭のシューベルトの《楽興の時》が流れているときに、アナウンサーによるパーソナリティーの紹介が入る。「お話は奥田佳道さんです」と。

 

これ、要ります?

 

オープニングテーマの後に、奥田さん本人が登場して、「おはようございます。ごきげんいかがですか。奥田佳道です」じゃダメなのだろうか。他の有名人の番組は、みなそうしているように思うのだが。

 

「奥田さんを紹介しているこの女性アナウンサーはどなた?」ってことにならないかな。

 

私は、この女性アナウンサーが「名無し」であることに、不憫さを感じてしまう。

 

例えばだけど、まさか「お話は奥田佳道さんです。私は森田美由紀です」って言うわけにはいかないし…ね(笑)

 

ところで、来年から中学校の検定教科書が変わるってんで、各社、学校に攻勢をかけてくる時期である。

 

先週は、国語教科書のシェアがトップの光村図書さんが来校した。いろいろ話を聞いて、「光村、さすがだな!」と思ったのが、付録教材の朗読陣の素晴らしさ。

 

例えば、中2でやる「漢詩」は加賀美幸子(元NHKアナウンサー)、中3の「論語」は森田美由紀(NHKエグゼクティブアナウンサー&チコちゃんに叱られるアナウンサー)の朗読だった。

 

中2の定番教材『大阿蘇』(三好達治)なんて、いま『あぶデカ』で話題の仲村トオルである。私の妻は、トオルちゃんの大ファンだから、妻が採択者だったら、絶対に光村図書を採用してると思う。それだけの理由で。

 

学校業界以外の人がこれを読んだら何というか分からないが、検定教科書の採択なんて、どこの学校も、まあ、そんな調子で決まるのである。因みに、中学国語の教科書会社は4社(光村、東京書籍、三省堂、教育図書)である。

 

ただし、市区町村立の公立義務教育学校は教育委員会が一括して決める。例えば、横浜市はずっと光村だ。だから、僕も小1(昭和51年)からずっと光村図書だった。『くじらぐも』や『スイミー』や『一つの花』や『太郎こおろぎ』や『白いぼうし』が懐かしい。

 

『くじらぐも』で、自由に行きたいところの絵を書かされて、富士山を描いたら、当時の若い女の担任にひどいことを言われたのがきっかけで、僕は美術が嫌いになった。

 

『太郎こおろぎ』で、「このときのしのちゃんの気持ちは?」と指名されて、長時間答えられず、教師に笑われたのがきっかけで国語の読解が嫌いになった。

 

なんだ、イヤな思い出ばかりではないか、光村は(笑)

 

ということで、採択教科書の決定は、6月28日に迫っている。

 

いけない、まったく音楽について書いていなかった。今日の放送は、ドイツ・カンマー・フィルによるハイドンの「ドラム・ロール」。一聴して良い演奏だったので、カセットテープに録音した。

 

まっすぐな音っていいよね。

 

ところで、光村を採用した学校は、加賀美幸子や森田美由紀、仲村トオルの朗読を聞かせているのだろうか。先生が読むよりぜったいに効果があると思うので、ぜひ、授業にiPadを持っていって聞かせてほしい。生徒は「ホンモノ」を求めているのだ。

 

そこで、僕は一つだけ光村の編集部員さんに提言した。

 

教科書のページ下に、朗読の音声に飛ぶQRコードが付いているのだが、朗読しているアナウンサーや俳優の名前と顔写真も載せたらどうかと。

 

先生がその気がなくても、有名人の顔写真があったら、「この朗読を聞かせてほしい」と頼んでくる生徒が出てくるんじゃないか、と。

 

たしかに、中学生が森田美由紀の顔を知っているかはちょっと怪しいが、写真も何もなく、QRコードだけでは、それが何なのか、何に飛ぶのか、まったく理解できないのだ。

 

QRコードは、自宅学習用に付けていると営業さんは言っていた。なるほど、それならなおさら興味がわく仕組みを作らないといけないと思う。

 

とにかく、朗読は「する」のも「聴く」のも、とても大切な活動だ。

 

思えば昔の国語の先生は、①達筆で、②朗読も素晴らしかった。いまの先生は…。

 

僕は最近、活舌が悪くなった。声質も衰えている。昔はアナウンサーになりたいと思っていたのに。

 

声質の維持。こればかりは致し方ない。

 

なんとなく、中尾彬と増山江威子の偉大さを想う。追悼いたしたいと思う。