オーボエをやっている高1になった息子が、ちょっとした紆余曲折を経て、自校の吹奏楽部には入部しないことになった。吹奏楽ではなくオーケストラに入りたいという。通っている県立高校にオケ部はないので、自ずと地元の市民オケを探すことに…。

 

昨日は、ちょうど私の仕事場近くで某オケの演奏会が開かれていたので、見学を兼ねて鑑賞してきたのだが、とても良い演奏会だった。《ドヴォルザークの7番》を初めて聴いたような気がする。

 

そして今日は、私の中で日本一のプロオケ、東京交響楽団の「ニコ響」(無料!)を愉しむ。本当は、朝から新宿の某楽器店に妻の楽器のオーバーホールに出かける予定であったが、電話で訊くと、なんと修理待ちが1か月以上。5月24日以降でないと受け付けてくれないという。年度初めは、どこの楽器屋もそういったオーダーで大変なのかもしれない。

 

(イメージ)

 

朝のうちは、新宿の帰りにミューザ川崎に寄って、久しぶりに「生」で聴くのも良いかな…と思っていたのだけれども、出かける用事がなくなったために、敢えて重い腰を上げることができなかった。

 

本日の「ニコ響」は、このような内容。

 

●川崎定期演奏会 第94回
2024年4月21日(日)14:00開演(13:30開場)
ミューザ川崎シンフォニーホール

指揮=サカリ・オラモ
ソプラノ=アヌ・コムシ

ラウタヴァーラ: 

カントゥス・アルクティクス

(鳥とオーケストラのための協奏曲)
サーリアホ:

サーリコスキ歌曲集(管弦楽版)<日本初演>
(休憩)

シベリウス:交響詩《ルオンノタル》
ドヴォルザーク:交響曲第8番

 

 

後半のみ聴いた。

《ルオンノタル》はソプラノ独唱付きの短い序曲だった。サウンドが完全に「ザ・シベリウス」で、まったく飽きさせない素晴らしい歌声と管弦楽に感動した。

 

「ドヴォルザーク」は、淡麗で切れ味鋭く進行、途中のスピード感が、何とも言えない興奮を誘った。

 

 

 

 

10年以上前、私はこの曲の終楽章の吹奏楽版を、指導者の寄せ集めメンバーで構成されたバンドの中で演奏したことがある。吹奏楽版には「野蛮にも」スネアドラムとバスドラムも(もしかしたらシンバルも?)追加されていて、「軍隊的」「行進曲風」になっていた。(うろ覚え)

 

ブラスは全体の音量がデカいから、打楽器でも足さなければトータルとしてバランスがとれないという面があり、編曲家もたいへんなのだと思う。

 

しかしそれこそが「ブラス」の世界。その時はスネアドラムを演奏したのだけれど、別に何の違和感もなく、実に楽しいステージを味わわせていただいた。(フォルティッシモのロールがキモチイのよね)

 

息子は高校生にして、ブラスではなくオケを選んだ。偶然にも、今年大学生になった従妹の子供も、高校時代には自校のオケ部でバスーンをやっており、大学でもオケに入ると言っている。

 

いいんじゃないのかな、と、吹奏楽経験者の私は敢えて思う。

 

ブラスには独特の面白味も興奮もあるが、クラシック音楽を深く味わうようになるにつけ、次第に「何かが違う…」と思うようになる。僕はその季節が遅かったが、うちの子は高校生で気づけたということだ。これも運命、というと大げさだが、何かの「流れ」なのかもしれない。

 

「部活には何か入った方がいいよ」とはアドバイスした。いま、親が言えるのはそのくらいだ。「合唱部に入ってピアノ伴奏したいな」などとぶつぶつ言っていたので、そうなるかもしれない。

 

「流れ」には抗わないのが一番だ。