今朝、緊急地震速報が鳴って、しばらくしてから小さな揺れが来た。我が家の立地は揺れづらい所のようで、体感は震度1ぐらいであった。

 

地震速報を聴くために、最初、テレビのNHK総合をつけ、あまり被害が大きくないのを確認して、テレビを消し、自室でNHK-FM(らじる★らじる)を聴いていた。

 

アナウンサー氏が、「この後、9時30分からは引き続き選抜高校野球大会の模様をお伝えします」っていうから、「FMでも放送するのか」と漠然と思っていたら、急にオーケストラの音が演奏途中から流れ出た。

 

地震で中断していたNHK-FMの元の番組「クラシックカフェ」に戻ったのだ、と悟った。

 

緊急放送の場合は、NHKのラジオ放送は「第1」「第2」「FM」と、みな同じ音声をオンエアする。アナウンサー氏は、第1放送のリスナー「だけ」を想定して、つい「選抜高校野球」と口走ってしまったのだろう。

 

ここは、「ラジオ第1放送をお聞きの方は、この後、9時30分から、引き続き選抜高校野球の模様を、ラジオ第2放送をお聞きの方は、ニュースで学ぶ現代英語、FM放送をお聞きの方は、引き続きクラシックカフェをお聞きください」と言うべきところである。

 

時間がなければ、「この後、9時30分からは引き続き、各チャンネルの番組をお聞きください」でいいと思うのだが、男性アナウンサー氏は、きっと慌てていたのだと思う。お疲れさまです。いや、お疲れ「生」です。

 

で、そんなことはどうでもよくて、「クラシックカフェ」に「復旧」したとき、流れていたのが、ブラームス《交響曲第3番》の第3楽章で、私はその演奏の素晴らしさに釘付けになってしまった。

 

番組表を調べると、ギュンター・ヴァント指揮/北ドイツ放送交響楽団による1983年のスタジオ録音のCDであると分かった。NHK番組表には、CD番号が書いてあるから間違いない(BVCC37252)。

 

そのまま聴き入った終楽章も良かった。北ドイツのどこかのホールで録ったのだろうか。オケへの遠近感が絶妙で、ホールの豊饒な響きを収録しながらも、細部もしっかり聴きとれる好録音。

 

ヴァントの演奏はぶっきらぼうな感じがして、最近はあまり聞いていなかったが、この第3番は、さにあらず。

 

いまはCDを所有していないし音源も散逸してしまったので、昼にでも出かけて、ヴァントのブラームスを入手して来ようと思う。なんとしてでも、地震中継で聴けなかった第2楽章までの演奏を楽しみたい。

 

こういう出会いがあるから、「FM放送かけ流し」はやめられない。そんな(平日の)年休の日の記録。